SIONは今年でデビュー30周年を迎えるシンガーソングライター。
数多くの熱狂的なファンを持つ一方で、全く知らないという人も今では多い。現に自分も、SIONという名前こそ知っていたものの、彼の音楽に初めて触れてからまだ10年も経っていない。
年がら年中聴いているわけではないが、ツラい時、悲しい時には必ずそばに居て欲しい音楽だ。
あの温かみのある嗄れ声が、あの歌詞が、自分の中にたまった澱を溶かしてくれる。

例えば、25枚目となる最新作に収められている“諦めを覚える前の子供みたいに”という曲には、こんな歌詞がある。


きっといつかその想いは叶うから
夢を諦めたりしちゃダメだって


聞こえのいいことばっかりよ 言ってらっしゃる
言われなくても諦めちゃ生きちゃいけない
だけど堪えきれないこんな夜もあるのさ


夢が叶った人の言葉は 時に響かないよな
人並み外れた努力があってと分かっていても
それでも何が違うと叫びたい夜もあるのさ


人の事はどうだっていいと言いながら
人がいるから今日までこれたかな

SION『俺の空は此処にある』(15年)収録“諦めを覚える前の子供みたいに”より一部抜粋

心の中にひっそり抱えていた言葉にならない思いを、SIONはこんな風に歌にしてくれる。彼にはケツを思いっきり蹴りあげてくれるような曲も多い。
しかし、今作ではそういったタイプの曲は影を潜め、その分、聴き手の肩を優しく抱いてくれるような包容力を感じさせるものが多い印象だ。
好みによって評価は別れるかもしれないが、少なくとも自分は傑作だと思う

https://qetic.jp/interview/sion/126927/