もし、哲学に使命が何かあるとすれば、そのひとつとして、「隷属からの解放」という
テーゼがあっていいだろう。隷属の対象は、国家でもいいし、属性、ジェンダー、民族性、
お金、イデオロギー、常識、慣習、日本人、何でもいい。

究極的な自由を愛する姿こそ、哲学の名に相応しい。だから、哲学の役割は、現代版の奴隷解放宣言を
行い、実行することだろう。

ショーペンハウエルが言うようにそもそも、人間にはほとんど自由はない。
親を選べないし、生まれる時代や環境を選択できないし、遺伝子を己の好きなように
自己選択・設定出来ない。だから、人は状況や運命、偶発性の奴隷に成り下がりやすい。

そうした隷属や所与に対して懐疑し、それを超えられる領域に、真の自由や哲学的な思弁の
飛躍がある。単なる所与を偶像化する日本人論など、奴隷の思想だろう。