悲しいかな、不等式でもこの方法は「忌避」されている。
a≧b という不等式を証明するには a−b≧0 を証明しろ、と教わる。
b>0であることが予め分かっている場合には、a/b≧1 を証明する方法もあるぞ、とも教わる。
しかし、同値変形を繰り返す以下の方法は教わらない。

・ a≧b ⇔ a_1≧b_1 ⇔ a_2≧b_2 ⇔ … ⇔ a_n≧b_n (←簡単な不等式)
・ a_n≧b_n は真である(別途証明する。簡単な不等式ゆえ、簡単に証明できる).
・ よって、最初の a≧b も真である.

要するに「最初の不等式を簡単な不等式に帰着させる」という方針である。極めて自然な方針であろう。


本当に「帰着」できているのかどうかは、同値変形がキチンと出来ているかどうかにかかっている。
従って、この方法をマスターするには、同値変形について細心の注意を払わなければならない。
これは教育上も非常に好ましい。なぜなら、高校では「必要十分条件」について口を酸っぱくして
事あるごとに何度も解説するからである。にも関わらず、このような同値変形の方法について
触れないのは極めて不自然である。ま、この方法が効果的に使える場面があまりないという事情も
あるのかもしれんが、それにしても、教師の方が「この方法は間違いだ」とか ぬかすようでは話にならん。
教えてる側が論理について何1つ理解できてないではないか。