例えばサッカーだと初めてボールを蹴る奴はほぼ全員がトウキック(爪先で蹴る)をする。普段の生活で物を蹴る動作の延長だ。

しかしサッカーを習い始めると徹底的にインステップ(足の甲)で蹴ることを教え込まれる。
小学生のサッカークラブで、練習試合ではトウキックでゴールしてもノーゴール扱いにしているところもあると聞く。

最初のうちは地面を蹴ってしまったり、当たりが悪くてトウキックより勢いのないボールになったりする。
だが、トウキックだと「点」で蹴るのに対して、インステップキックだと「面」だからコントロールが出来るし、足首の力をボールに伝えることも体得出来る。

インステップでボールをコントロールすることを覚えたからこそ、
次はインサイドやインフロント、あるいはアウトサイドなどの様々な状況に合わせたキックが出来るし、
こうしたキックを覚えたプレーヤーが本当に必要なときにトウキックを使うと有効に働く。

これも全て、指導者によってトウキックを一度全否定され、インステップという基本を覚えたからできることだ。
トウキックのほうが蹴りやすい、勢いもつく、ゴールすればいいでしょという理屈でトウキックに拘っていると、
インステップはおろかインサイドやアウトサイドといった応用を(適切な使い方も含めて)できるようになる日は永遠に来ないし、
インステップもろくにできない奴が他のキックに次々と浮気しても、基礎が出来ていないからコントロールは覚束ないだろう。