●日本学術会議問題の全論点●

(1)何が問題なのか

日本は法治国家で、行政(内閣)は法の執行機関です。
論点をすり替えるために、「学術会議を廃止しろ」だの、「民営化しろ」だの立法論を言うのはご自由ですが
日本学術会議法の規定と異なったことを内閣総理大臣が行っているとすれば、
国家の基本原則のひとつの法治国家であることが脅かされいるのですから、これは最重要の問題です。

【重要】⇒法治国家を理解せず、「任命権が首相にあるのが当然」という菅義偉の認識が大問題

(2)政府の主張 〜これがビックリするほど出鱈目

まず、政府は憲法15条を唐突に持出し、総理大臣に任命拒否権があると主張する。
しかし、憲法15条は、国民主権の現行憲法において国民に公務員の選定罷免権があるとする規定で
内閣総理大臣に公務員の選定罷免権があるとは規定してない。
そして、憲法15条の通説的見解は、選挙で選ばれる公務員は、選挙で国民が選定罷免し、それ以外の
公務員は、選挙で選ばれた国会議員が作った法律により、選定罷免する。と説明される。

従って、選挙で選ばれない学術会議の会員は、学術会議法の規定によって選定罷免されるので、
学術会議法の解釈が問題となり、憲法15条を眺めても、結論は出てこない。

次に政府は、国家公務員法55条を持出し、国家公務員の任命権が内閣と各大臣にあることを根拠に
任命拒否権があるとする。
しかし、国家公務員法55条は、明確に「法律に別段の定めのある場合を除いては」と規定しており、
学術会議法7条2項に別段の定めがある本件に、国家公務員法55条は適用されず、結論は学術会議法の解釈に
委ねられる。
(下につづく)