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葉鍵聖戦 3rd Period

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0001名無しさんだよもんNGNG
2000年冬から2001年へ不意に続く、もう一つの世界。

葉鍵キャラがオリジナル設定で大暴れしまくりな日記形式のリレー小説だゴルァ(゚д゚)
書き手も読み手もルール守ってマターリ逝こうぜゴルァ(゚д゚)

1 基本的にsageでお願い致します。
 (ただし、dat逝きを防ぐためにageても構いません。目安はスレッド順位が300位以下になった時です)
2 どんな人間がどのキャラを書くのも構いませんが、それまでの伏線は重視する方向でお願い致します。
3 あまりに立て続けのカキコは自粛しましょう。
4 これはあくまでの2chのスレッドです。
  当然書き手に否定的な意見等もあるかもしれませんが、いちいち反応せずに作品で結果を見せましょう。
5 他の書き手が納得出来ない展開はご遠慮下さい。
6 新規参入者は、過去ログを熟読して下さい。
7 1つの書き込みをした後には必ず2回ほど回して下さいますようお願い致します。
  なお、連続で書き込む場合は、書き込みが終了した後に数回回して下さい。

では、貴方も葉鍵な聖戦の世界へ……

なお、過去ログ等は>>2にございます。
0059深山雪見@虚構という真実(6/9)NGNG
「……それも長くは続きませんでした。
 権力に溺れた人たちに私は大僧正の地位を追い立てられました。
 でも別に良かったんです。娘を探す為に欲しい術はすべて私のうちにありましたから。
 私を追い出す大義名分のため悪評を世に出されたとしても、構いもしませんでした」
「…………」
 もう私に言葉は挟めなかった。
 ただ訊くだけ。
「何年も、何十年も、彷徨い続けました。
 永遠の樹、そして仮初の永遠、記憶の欠片、そこにある月……」
 今もなお頭上にある。
「何かを掴み取る為に探していた。あの子ともう一度会う為に……。
 そして、千年目の冬でした……もう、本当は諦めていのかもしれません」
 邪術士は淡々と話し始めた。
 雪の街にたどり着いたときのことを……。
 寂しさと、あの子に対する思いから、戯れに雪でかたどった人形に命を吹き込んだらしい。
 己の魂と蒼い髪を織り込んで、そこに新しい命が生まれた。
「私はその子に、名前の『名』と、この街の象徴たるの『雪』を合わせて……。
 名雪、と名付けました……」
「それじゃあ、名雪って、そういうことなの……?」
 でも、彼女は笑うだけで何も答えない。いや、もしかしたら笑ってすらないのかもしれない。
 能面……。表情がない。
「もちろん命は長くなかったわ。だから、このジャムを食べさせるの」
 彼女が持っていたのは、オレンジ色の物体……。
「これの材料って何だと思います? 分かるでしょう?
 そうしないと……嫌でも食べさせないと、あの子の身体は保っていられないのよ」
 吐き気がのど元までくる。
 しかし、だからと言って彼女はまったくの……。
「これがすべてです。永遠を望むのは……私がそれを望むのは……」
 虚ろな瞳だった。
 そこにある千年の想いは、もしかしたら……。
0060深山雪見@虚構という真実(7/9)NGNG
「……ひとつ聞いていい?」
「なんでしょう?」
「どうして、そんなことを私に……聞かせたの?」
「結論から言うとね、私は娘に会えたのよ」
「…………?」
 私が疑問符を浮かべていると、彼女はおかしそうに笑った。
「この話を聞かせるのは、あなたで二人目だわ」
「……ひとり目は」
「あなたなら分かるでしょう?」
「そうか……効かないわけよね、月の霊法……」
 嘆息して、私は瞳を閉じる。
「どうします? それでも私と対峙しますか?」
「……止めとくわ」
「はい」
 私は今まで溜めていた力を収束させていく。
「この力は別のことに使うから」
 もう借りは返したと思っていたのに、まだ世話を焼かせるんだから。
 あの子は……。
 でもようやっと分かったような気がする。
『強くありなさい』
 由紀子さんの言葉を……。
「別に、あなたを許すつもりはないわよ」
「それはそうでしょう」
「ただ、私がその役になるのは、役者不足なだけよ。他の人に任せるわ」
 邪術士は何も言わないで、頷いていた。
「みさき、受け取ってくれる?」
 私の想いを……。
0061川名みさき@虚構という真実(8/9)NGNG
「うーん、痛いよー」
 私は倒れていた地面から起き上がっていた。
「あれれ?」
 目の前にある視界は以前のものだったから、素直に驚いてしまう。
 どうしてだろう、死んだと思ったのに……。
 わけが分からなかったけど、何故か哀し気持ちになった。
「雪ちゃん?」
 かすんだ声が風に流される。
 そこに……。
『やっと見つけたの』
 大切な友達の呼びかけがあった。
「あ、澪ちゃん」
 近づいてくる足音の方を振り向く。
 そこには澪ちゃんのほかにも女の子がいるみたいだ。
 羽の付いたリュックがパコパコ揺れている。
「あれは、誰だろう……?」
 寝起きのせいだろうか頭が働かない。
 零れる涙。
 理由すら分からない。
「何で泣いてるんだろうね、わたし……」
 呆然と呟く。でも、また笑えるようになるから。
 今は泣いていたいと思った。
0062水瀬名雪@虚構という真実(9/9)NGNG

 わたしは懸命に走っていた。
 あいつの言ったことを嘘だって言ってもらうために。
 心が臆病にならないように。
 でも、知った真実は、あまりにも重かった。
 挫けそうになるくらい。
 だから、改めて訊きたかった。
 高野の大僧正って人が光となって消えていったとき、わたしは訊ねる。
「お母さん、あれって本当のことなの?」
「名雪……訊いてたの?」
 暫くの沈黙。
 わたしにとっては永遠にも感じられた時間だった。
「あははっ……お母さんの困ってる顔って、始めて見たよ……」
 じゃあ、わたしって、何なの?
 ねえ、何なの?
 訊いてるの、お母さん?
 雪で作った、どうでもいい……。
「どうでもいい、いくらでも代わりがいる名雪っていう作りものなの!?」
 わたしは、駆け出していた。
 場所も、ここがどこすらも、分からないまま……。
 見えないまま……。
「祐一……」
 大切な人の名前すら冷たい風にさらされて……。
0063名無しさんだよもんNGNG
それでは回すだよもん。
0064名無しさんだよもんNGNG
まだ回すだよもん。
0065名無しさんだよもんNGNG
そろそろ高野の襲撃の話に付いて触れたいだよもん。
0066名無しさんだよもんNGNG
でも彩じゃないとすると誰だろうだよもん。
0067名無しさんだよもんNGNG
分かんないだよもん。
0068名無しさんだよもんNGNG
もしかしたら見当違いの話になるかもだよもん。
0069名無しさんだよもんNGNG
少し様子を見た方がいいかもだよもん。
0070名無しさんだよもんNGNG
失礼するだよもん。
0071名無しさんだよもんNGNG
いつの間にか再開してるので期待age
0072猪名川由宇@決戦(4)NGNG
 事態は最悪なものに変わっていた。
 せっかく聖ハンが逃がしてくれたと思ったのに回り込まれていたんや。
 幼いツインテール……塚本千紗に。
 あたしらが向かった先で、あいつらが待ち伏せしていた。
「にゃあ、お馬鹿さんですね〜。逃げ切れるなんて思ってたんですか?」
 微笑を浮かべる千紗。そこに幼さの影はなく。
「ダメです。死んでくださいね」
 千紗の後ろに控えていた白弧――推定1000――ほどに命令を下す。
「やっちゃってください!」
 疲弊しきったあたしたちでは敵う筈もなかった。
 皆が皆、散り散りになっていく。
 あたしはせめて佳乃ちゃんだけでも助けたかった。
 でも、もう駄目やろうな……。 
 見渡すと視界を埋め尽くす限りに白狐が居てた。
「ふん、好きにせい…………」
 あたしはその場に倒れ込んだ。
 白い雪が心地よかった。もうこれで終わる。
(詠美、すまんかったな)
 最後に浮かんできたのは親友の顔やった。
 馬鹿で、我侭で、どうしようもないほど自己中で、でも一番の……。
「なに考えとるんや、うちは……」
 視界が黒くなる。意識が保っていられない。
 例えば、そう……公園で撒いたパンの耳を啄ばむ鳩や烏のように、千切られていく肉片……。
 痛い、っていう感覚はなかった。ただ心配だっただけ。
「他の皆には生きてて欲しいな……」
 それだけを言って目を閉じる。気分はまあ悪くない。
「頼んだで……」
「……分かった。約束しよう」
 そう誰かがそう答えてくれたから安心やった。
(さようならや、みんな……。
 あいつ馬鹿やけど寂しがり屋やから、うちが一緒に付いててやらんとあかんねん)
 そして、次の世代に希望を託す……。
「行くわよ、蝉丸君。弔ってあげたいけど、今は、ね……」
「……分かっている。だが、少し時間をくれないか」
「ふう、頑固なのよね、あなたたちって。いいわ、高子も手伝ってあげなさい」
「はい、分かりましたわ」
 ほんのささやかで、大きな希望に……。
0073塚本千紗@決戦(5)NGNG
 千紗は血に塗れた戦場を悠然と歩いていました。
「にゃあ〜、千紗の妖弧軍は圧倒的ですね〜」
 どこからか爆発音。どこからか悲鳴。火の手もところどころで上がっています。
 辛気臭いですね、まったく。前線はこれだから嫌なんですよ。
 千紗はどちらかと言うと、王座に座って敵を待つ、とかいうシチュエーションの方が好きなんです。
 でもでも、仕方ないんですよ〜。
 この前、恥を欠かせてくれた長谷部彩とリアンがこの区域に居るって聞いたんです。
 絶対に仕返しはするんですよ(あの件で真琴に怒られちゃったんですから)。
「どこかな? どこかな?」
 それにしても意外に広い街ですね。
 探せるんでしょうか?
「……許さない」
 どこから声が聞こえてきました。
 誰なんでしょう? 忙しいんですけどね、千紗は……。
「貴女だけは絶対に許さないんだからっ!」
 服はボロボロ。痣がいたる所にあって怪我もしている。ドロンコですね。
 傷口に悪そうです。
 この小娘は確か……霧島佳乃、とか言いましたっけ?
「だったら、どうするんですか?」
 暇つぶしに遊んであげることにしましょう。
 それに、この子を餌に他の奴らをおびき出すのも楽しいでしょう、きっと。
0074霧島聖@決戦(6)NGNG
 実際のところ北川君は善戦していた。
 数百の妖弧を目の前にしても衰えを見せないで駆逐していた。
(強くなっている……だが、これは)
 妖弧の力。沢渡真琴と同質の気を放っていた。
 なつみ君の報告を思い出す。
『キタガワサンガカワスミサンヲコロシマシタ ナツミ』
 それを確信させるほど、今の北川君の表情は邪気で満ちていた。
 しかし、妖弧と戦いを演じているという事実はどうだ?
 ……不確定要素が多すぎる。
 信頼したいという想いと相反する心の警鐘がせめぎ合う。
(どっちにしろ、力尽きた私では傍観しかできんか)
 そう、苦笑する。
 彼の思惑がどうあれシンガリを務めた私の役割を担ってくれているのだ。
 それだけで十分だった。
(ふっ、いつからこんなにも薄情になったのだろうな、私は)
 指揮官として拘りすぎていたのかもしれない。
「任せるよ、北川君」
 私はそう微笑んだつもりだった。
「しかしな、私は加勢できないみたいだ……」
 それが悔しかった。
 閉じられていく視界の中で彼が笑ったような気がした。
 あの時と一寸も変わらない笑み。
 私は安心したのか、身体が求めるままに、眠り込んでしまった。
 また、戦う力を養うために……。
0075岩切花枝@決戦(7)NGNG
「光岡が死んだ……」
「ちっ、水瀬秋子って奴にかい?」
 私は頷く。しかし奴の叱責は同じ強化兵を失った悲しみでもあるまい。
 優秀な手ごまを失ったというところだろう。
 私も同意見だったが。それについて――まさか――論じることもなかった。
「奴に近づきさえすれば、生命樹が手に入るって言うのに」
「事を急ぐこともあるまい?」
 注意を促すことを忘れてはならない。奴もまた手ごまなのだから。
「ふん、言われなくても分かってるよ」
 どうだか、と思うが敢えて言葉には済まい。
 愛用の南部十二式を取り出して御堂は薄く笑った。
 もちろん見かけだけそうであって、銃自体にはあらゆる科学の粋を集めたカラクリがなされてある。
 それをしたのは、犬飼という男だった。
「完全体になるまでは、な」
「決まっている、今度は沢渡真琴って奴に話を持ちかける」
「……出来るのか?」
 純粋な疑問に御堂は鼻で笑っていた。
「ああ、今度は手土産を持っていくことにするからな」
「ふっ、なるほど」
「とりあえずは、あのいけ好かない蝉丸だ」
「そうか、付き合おう」
 微笑することは自重した。それくらいの忍耐はあった。
(奴とは違う……)
 でも、まずは――
「石原麗子も奴の側に居るぞ。それはどうする?」
「分かってねえーな、お前はよ」
 にやっと不可解な笑みを零して奴は言った。
「俺たちには、こいつらがいるじゃねーか」
 奴の後ろにある三百体もの機械仕掛けが動き出した。
 感情のない、狂気のままに……。
0076名無しさんだよもんNGNG
この辺で少し回しとくもん。
0077名無しさんだよもんNGNG
決戦は前スレよりの続きだよもん。
0078名無しさんだよもんNGNG
思うに残りの白狐は2800くらいだよもん。
0079長瀬祐介@決戦(8)NGNG
 銀狼は凄まじい速度で駆けていた。
 だが、逃がしはしない。
 仇だ。
 あいつが瑠璃子さんや月島さんを殺したんだ。
 許せない。
 瑠璃子さんはそれを望んでいないのかもしれない。
 でも、駄目なんだ。
 あいつを討たないと狂気が暴走しそうだった。
 早く! 早く!
 訴えかけてくるものがある。
 身を委ねたい。
 僕はあいつを狂い殺してやりたい。
 分かっている。
 ――分かってはいるんだ!
 でも、止まらない。
 駆け出していくのは足ではなくて狂気であったとしても。
 僕は走り続けていた。
0080緒方英二@決戦(9)NGNG
 俺は薄笑いをして見せた。
 逃げたと見せかけて本当は理奈のところに向かっていた。
 この広大な土地でも妹の歌は聞こえてくる。
「さあ、唄え――緒方理奈!」
 お前の歌声があの少年の意識を狂わせる。
 破滅の道に向かわせる。
「はーはっはっはっーーーっ!」
 狂気だろうか。この土地に含んだ瘴気はあまりに大きい。
 誰も彼もが狂ってる!
「ほう、理奈、戦っているのか?」
 遠くの気配が読み取れる。
「任せておけ! お前が歌うのを邪魔する奴はすべて消してやる!」
 どこまでも風は駆け抜ける。
「少年よ、来るがいい」
 嘲る。微笑。見下す。哀れみ。下位。人。人間――
「今、認めてやろう!」
 狂気なる電波使いよ――貴様こそ、我が敵に相応しいと。
0081藍原瑞穂@決戦(10)NGNG
 正面出口――
 そこが私と香奈子ちゃんの居るところだった。
 緒方姉妹が来たからと言って祐介さんが出て行ってから大分時間が経つ。
「大丈夫なのかな……」
 そう呟くには居られなかった。
 もちろん、こっちだって大変なんだろうけど、今はそう言った様子は見えない。
 どうやら聖さん達が頑張ってくれているみたいだ。
「でも、それだけ負担かけてるってこと、忘れないでね」
「あ、うん……」
 香奈子ちゃんが私の心を読み取ったのか言われてしまう。
 だけど、こう思っちゃ駄目かな?
 こうして香奈子ちゃんと居られる時間を大切にしていたい。
 本当は戦いなんて嫌いで仕方ない。
 怖くて仕方ない。
 でも、香奈子ちゃんと一緒だから……。
「私も頑張るよ」
「……そうね、そうだよ、きっと」
 香奈子ちゃんも笑ってくれた。
 しかし、現実は厳しくて、残酷だった。
「サラさん!」
 大きな声で香奈子ちゃんが叫んだ。その先に傷だらけの彼女がいた。
「参ったわね、このサラ様ともあろうものが」
「しっかりしてください!」
 そのまま彼女は香奈子ちゃんの胸の中に倒れて込んでしまった。
0082河島はるか@決戦(11)NGNG
 裏口――
 人の気配なんてどこにもなかった。
「あ、人じゃなくて妖弧だった」
 まあ、どちらでもいいや、と私は周囲を見渡した。
 ガレキと砂埃しか見えない。
 溜息をつきたくなる。
「なつみさんには、建物中に戻ってろ、言われたけど、どうしよっか……」
 緒方理奈の姿を見つけたと、なつみさんはどこかに行った。
 助けになりたかったけど、どう考えてみても足手まといだった。
「こんなものかな、やっぱり」
「まあ、そうか……そうかもな……」
 ふと声。いつの間にか隣に藤田さんが立っていた。
 プラス因子を持つ男の人。
「ああ、ダメなんだよ……そんなことじゃあ……」
 なにか言いたそうに私を見てくる。
「……やれることってなにかな、そっか、そうだよ……」
「やれること、ですか?」
「そんなもん……か、やっぱし……」
 そう言って浩之さんは私の手を握ってくる。
 なぜか温かい。
 体温というよりも、それは……。
「見つけたわよ、浩之」
 慌てて探していたのか志保さんが、でも冷静に、綾香さんを演じていた。
「ほら、外に出たら風邪引くわよ」
 そう促して、結界を張った建物に入っていった。
 今のはなんだったのだろうか。手に残った温かい感触……。
「後は任させた、そう言ったの?」
 でも、何も答えてくれない彼の後ろ姿だけを、私は見送っていた。
0083三井寺月代@決戦(12)NGNG
「治りそうか?」
「はい、これくらいならなんとかなりそうです」
「良かったわ」
「はは、高子さんほどじゃないですけどね」
「そんなことないよ、月代ちゃん」
 戦地からやや離れた場所であたしたちは歩を止めていた。
 蝉丸さん達だけ先に行っているのが、少し不満だったけど、彼女達を見捨てては置けない。
 傷ついている人を助けるために、あたし達はここに来たんだから。
「よーし、この調子で行こう!」
「おーう!」
 あたしの掛け声に夕ちゃんも応えてくれる。
 うー、嬉しいよ。
 いい友達を持ったよ、あたしは。
「ああ、そうそう、自己紹介がまだでしたね」
 そう言い出したのは、長い黒髪の綺麗なお姉さんだった。
 どうしてか、呆然としていたようだけど……まあ、気にしないでいこう。
「私は柏木千鶴。こちらは妹の梓です。それに――」
 楓ちゃんに、耕一さんか、なるほど……覚えておこう。
 二人とも安静に寝ててよね。
「あたしは、三井寺月代、それで――」
 さっと夕ちゃんの方に手を差し出す。
「あ、あの……砧夕霧です。よろしくお願いします」
 ぺこりとお辞儀する夕ちゃん。
 そして、あたし達は続けていった。
「軍部特殊部隊『誰彼』です!」
 千鶴さんと梓さんは口を揃えていった。
「なにそれ?」
 ……何だか『どうにでもなれ』って気分になった。
 うー、くやしいよ。
0084『HMX―14ミライ型』マルチ@決戦(13)NGNG
「あぅー、皆さんどこいったんですか?」
 付き添っていた二人から離れて私はひとりです。
 どうしたらいんでしょう?
 私が目覚めたのは暗い部屋の一室でした。
 詳しい事情はわからないんですけど、軍部の皆さんが起動してくれたみたいです。
 来栖川重工は軍にも太いパイプラインがあったみたいです。
 より強力になる為にここで改造手術されちゃいました。
 HMX―12の後継機であるHMX―14『ミライ』――私の妹の機体です。
 でもでも、特別機というか、ただの量産タイプではないみたいですね。
 ああ、だけど、セリオさんらしき影が見えたので、皆さんと離れたのが失敗でした。
「月代さーん! 夕霧さーん! どこですか!?」
 もう、やっぱり駄目なメイドロボットです、私は……。
 このまま出番なく終わってしまうのでしょうか?
 せっかく強くしてもらったのに……。
「残念です」
 私はこの街に着いてから丁度百回目の溜息をつきました。
 メモリーだけはパワーアップですね。
 ……さすがに笑えません。
0085名無しさんだよもんNGNG
さすがに今日はもう駄目だもん。
0086名無しさんだよもんNGNG
寝ることにするだよもん。
0087名無しさんだよもんNGNG
続いてる…(感動
dat逝きになったと諦めてたよ。

書き手さん頑張れ。
0088牧村南@天候不順(前編)(1/6)NGNG
『……当機は新東京国際空港到着の予定でしたが、天候の関係により、勝手ながらではあり
ますが、福岡空港に着陸いたします……』

 あまりにも唐突なアナウンスに乗客が怒り出すのは目に見えていました。
 現に女性の客室乗務員に掴みかかろうとする客もいました。
 何でも天候がかなり悪いのが原因のようです。
 プノンペンから香港を経由して日本に向かう飛行機での事です。

「福岡に着陸かいな。まったくたまらんわ……」
 隣に座っている晴子さんもいらだちを隠せず、座席の肘掛を人差し指で何回も叩いていま
した。その横では敬介さんが呆れた顔をしながら、ため息をついていました。
 そうなるのも無理はないのかもしれません。どうやら彼の地に今日中に到着つもりでした
が、それは絶望的になりました。
「しかし外はこんなに晴れとるのに天候不順なんて……今一つ納得でけへんわ」
「強い乱気流が日本上空で発生しているみたいだよ。ほら現に結構揺れていると思わない?」
 今までずっと雑誌を読みふけっていたなつきさんが顔を上げました。彼女の言うように、
確かにここ30分くらい揺れがひどくなってきていました。今は東シナ海上空のだと思います
が、本来ならジェット気流に乗って安定している筈です。
「確かにそうやな」
「でしょ? んで、感じない?」
「何をや……って、これ……?」
 急に晴子さんが口をつぐみました。強張ったままでじっと前の方を睨み付けています。
その横にいた観鈴ちゃんの表情もみるみるうちに険しくなっていきました。
「が、がお……」
 観鈴ちゃんの口からなにかを呻くような声が出てきました。
 彼女たちの感じているただならぬ気配……私もわずかながらですが感じました。

「瘴気ですか……」
 私の言葉になつきさんは、その通りですよ、と返してきました。
「恐らく彼の地から発せられている瘴気でしょう。日本上空で巻き起こっている乱気流も、
恐らくこいつの仕業かと思います。しかし、ジェット気流を逆行するほどですから……とん
でもなく強烈でしょうね。多分、国内線は大多数が欠航になっていると思います。もちろ
ん、千歳行きもでしょうね」
0089牧村南@天候不順(前編)(2/6)NGNG
 それから1時間ほどして空港につきましたが、なつきさんの言った通り、札幌や東京はもち
ろん大阪方面へ行く飛行機も、天候の関係でほとんどが運休しているといった状態でした。
 ただ、新幹線は動いているとの事で、他の客と同様私たちも博多駅に向かいました。
 長蛇の列が切符売り場の前にできていましたが、なんとか切符は取れたようです。

「……って、これグリーン車やん。えらい豪勢やねぇ」
「こんなときにこそこのテの席は威力を発揮するものなのね。まあ、東京まで結構時間がか
かるから今のうちに寝ていた方がいいと思うけど」
「せやね。そうしとくわ」
 なつきさんの勧めに晴子さんは素直に応じて、そのまま席にぐったりともたれかかって目
を閉じていました。さすがに座席も快適に造られているせいか、すぐに寝つけたようです。

 小倉駅を出発した頃には観鈴ちゃんも敬介さんもすっかり眠っていました。
 一方でなつきさんは数多くの書類をずっと読み漁っていました。思えば飛行機に乗ってか
らその状態でした。多分一睡もしていないはずです。

「ずっと寝ていないようですけど……お体の方は大丈夫ですか?」
「ご心配なく。最低でも1週間起きている自信はありますから。
 それよりも調べることはまだ山ほどありますので。彼の地の現況だけでも、まだ十分に掴
みきっていないのですから」
「どうも『誰彼』の面子も彼の地に派遣されたといいますし……」
「政府も何を考えているのやら。恐らく石原の口車に乗せられたといった所でしょう。
 しかし彼女も一体何を考えているのやら……。
これじゃあ、火に油を注ぐようなものですよ」
 なつきさんは一つため息を吐きながら、顔を上げて窓の外の景色を眺めようとしました
が、それをやめて再び膝の上に広げた資料に目を通し出しました。
 まあ、新関門トンネル通過中の列車から外の景色を見ろというなんて彼女でもやらないで
しょう。
0090牧村南@天候不順(前編)(3/6)NGNG
 その時、ふと気になることが有ったので私は彼女に訊くことにしました。
「そういえば、例の寺院から小さな石像を持ち出してきましたけど、これで本当にあの翼人
や妖狐や邪術師を封印できるのですか?」

「ああ、あれですか。
 それは封印というよりかは、あの例の巨大石像に対象を転送させるための装置ですよ」
「転送……といいますと?」
 視線を網棚の上に移すと、その先には、アンコールワット付近からなつきさんが持ち出し
たという小さなさ石像が一体、丁寧に布で梱包されて棚の上にのっかかっていました。
 そう、例の巨大石像の脇に並んでいた小さな石像の内の一つです。大きな石像と同様に、
顔の輪郭はあれど顔の各パーツは彫られていません。
「読んで字の如くです。
 もともと、あの巨大石像はアジアの全域に散在していた魔物や物の怪、さらには荒れた土
着の神が鎮まるように作ったといわれています。ただ、あれにも欠点はあるようです」
「欠点といいますと、あの石像の力が広範囲に及ばないということですか?」
「そんなところです。古代の文献や伝承から判断して算出した結果、範囲はせいぜい半径
2kmぐらいだということです。だが、対象はそれこそ広範囲に散らばっていました。
だから、例の石像に対象を転送させる必要があったわけです」
「それで、遠隔地にも持ち運べるように、転送装置としてこの小さい石像を大量に作ったの
ですか。まるで、コードレス電話みたいですね」
「そんな感じですね。まあ、この小さい石像の効果ですが、唐の時代に現在でいう崑崙山脈
付近で、あるものを転送したという記録が残っています。まあ、それに関してはなかなか興
味深いものがあるんですよ」
「興味深いといいますと……その転送した『あるもの』の事ですか?」
「ええ。その事です。
 かつて例の寺院の僧侶が記したという日記があるのですが、そいつの記述にそれに関する
ことが記されていました。そこに、件の書物が置いてますのでまずは一度、目を通してみて
下さい。ちょっと、本自体が痛んでいる上に、古代の文字で記されているので、内容を把握
するのに多少苦労するかとは思いますけど」
0091牧村南@天候不順(前編)(4/6)NGNG
 なつきさんは、私の足元においてあった鞄を指差しました。その中には様々な書類やフロ
ッピーなんかが入っていましたが、唯一、古ぼけた書物が一つ入っていました。私は迷わず
それを取り出して、その書物の表紙を慎重にめくってみました。
 書かれている文字はかすれている上に、破損している所もありましたが、内容はだいたい
分かりました。
 例の石像は9世紀頃に作られたこと(ちなみに石像を収めている寺院は12世紀のアンコー
ル朝の全盛期の頃に作られた事が、別の歴史書に記されていた)やその石像で様々な物の怪
を静めさせるために封印した記録が長々と記されていました。
 そして件の箇所の記述は以下の通りでした。

『山に入ってから10日目の事。
 我の目の前に苦しむ者あり。その者、見ると人ではない。
 一見すると人だが、背中は鳥になっている。白い羽をひろげている。
 その者、邪念に侵され、近づく生ける者を殺していた。近隣の村の住人がそれを恐れている。
 その者、我にも襲い掛かってきたが、一寸の真の心あって、我に殺すように懇願している。
 だが、その者は噂に聞く…………である。我の力では到底殺めることなぞできない。
 それに、我はそれには忍びなく、持っていた石像でその者を鎮めさせる然るべき地へ運ぶ
ことにする。その者の真の心もそれに同意したので、我はすぐにその石像を地面に置き、文
言を唱え、その像の力を発動させた。
 すると、見る見るうちにその者は像に引き寄せられ、像の口に吸い込まれて姿を消した。
 途端に南の空が一瞬、黄色く光った。
 どうやら無事、あの者はこの石像が転送した先の入口より、然るべき安住の地へ運ばれた
ものと思われる。どれくらいの年月がかかるか分からないが、安らぎを取り戻し、いつかこ
の地に戻るようになれることを願ってやまない。
 彼の民は、遥か太古よりさまざまな災厄に苦しめられてきたという。
 それを思うと、そんな感が一層強い』

 これって……まさか……?
0092牧村南@天候不順(前編)(5/6)NGNG
「翼人を……封じたというのですか……?」
 私は文面を見て、すぐに思い浮かんだ"その者"の正体を口にすると、なつきさんは
「その通りですよ」と答えを返してきました。
「ただ、封じたという言い方はちょっと違うかもしれません。
 厳密に言うなら隔離場所……といっていいのでしょうか、とにかく気が荒くなって自分
を見失ってしまった者を転送させて、落ち着かせるための場所へ送ったってところでしょうか。
 そして、封じた神や物の怪を冷静にさせたあとで、彼ら自身にじっくり考えさせた上で、
場合によっては現世に戻したりもしていたそうです。ただ……」
「ただ? 何でしょう?」

「今ひとつ――使おうという気になれないのです」
 なつきさんの口から出た言葉は、私が思っていたものとはあまりにも違ったもの――
いうなれば正反対といってもおかしくありません。
 翼人を収めるものを2年もの間に探して、ようやく発見することができたのにです。
 何かしら理由でもあるのでしょうか、と私は尋ねてみました。
「なんといいますか……いきなりこれに神奈を押し込めるのはあまりに早計すぎるか
なと思えてきたのです。ついでいうなら、九尾に関しても同様です。
 って、なんか理由になっていないようですね」
「いいえ。私はあまりそうだとは感じていませんけど……。
 でもなんでそんな気になってきたのですか? 何か他の手段でもあるからですか?」
「そういうわけではないんです。他にはこれといって方法は思いつきません。
 でも、現地からの話を聞いているうちになんとなくですが、思えてきたのです」
 そしてなつきさんは一呼吸置き……そして言いました。

「ひょっとしたら……翼人と妖狐は和解できるかもしれないかと……」
0093牧村南@天候不順(前編)(6/6)NGNG
 それはあまりにも荒唐無稽すぎるといってもおかしくない話でした。そんな話がなつきさ
んの口からでるなんて思いもよらなく、唖然としてしまったのが正直な感想です。
 過去の歴史を紐解いてみても、そんな歩み寄りを見せるどころか、むしろますます両者の
溝が深くなっているのが実状だといいますのに……。
 実現する可能性が皆無な上に、実行するにもとんでもない労力を必要として、それこそな
つきさんが嫌う割の悪い行為かと思いますが。
「といって、これが実現する確率はロトくじがあたるより遥かに低いと思いますけど」
 清水さんもその事は承知していたようで、苦笑いをしながら話していました。
「和解するのならそれに越したことはないかもしれませんね。人にしても物の怪にしても
……争いで血や涙を流されるのを目にするのは嫌ですから。
 でも、何でそんなことを思うようになったのでしょうか?」
「最近の九尾の様子を耳にしてからこんな事を思うようになったのだと思います。
 九尾はだんだん力をつけてきていますが、それと同時にどうもある幼い妖狐の人格が顔を
表しているようなんです。考えてみれば、現在、九尾も神奈も……ついでいうなら、神奈の
母の八百比久尼も、九尾の娘の裏葉もすべて他人に憑依している形になっています。
 ただ、いずれも憑依している宿主の精神の影響を多少なりとも受けているようです」
 清水さんは一旦ここで言葉を切って、一呼吸置いてから話し出しました。

「まあ過去の因縁から彼女ら、特に九尾を和解に同意させるのは極めて難しいと思います。
 だからこそ……賭けてみたいんです……沢渡真琴さんの心に……」

 なつきさんが再び窓の外に視線を移したその時、列車は丁度、新岩国駅を通過している所でした。
0094名無しさんだよもんNGNG
さて、一旦ここまでにしときます。
0095名無しさんだよもんNGNG
しかし相変わらずクソ長いよぉ〜。
0096名無しさんだよもんNGNG
後編は、後日書き込むよぉ〜。
0097名無しさんだよもんNGNG
よくみたら、6つめの下から4行目にミス発見だよぉ〜。
0098名無しさんだよもんNGNG
誤:清水さん 正:なつきさん
どーでもいいけど、なんか鬱だよぉ〜。
0099名無しさんだよもんNGNG
もう、眠いからねるよぉ〜。
0100名無しさんだよもんNGNG
100レス目でおやすみなさいだよぉ〜。
0101名無しさんだよもんNGNG
更新age!
0102名無しさんだよもんNGNG
>>38 今更訂正です。
>最初は時間がなかった――ではなく――最初は自覚がなかった、でした。
0103佐藤雅史@決戦(14)NGNG
 のどが渇いた。
 ぎらぎらと陽の照った砂漠を歩いている旅人のように眼も虚ろだった。
 実際には、そこが雪の街で、都市街であったとしても、何の違いもなかった。
 そう、のどが枯れるという事象には、難しい要素など何もない。
 たんに見てしまっただけだ。
 盟友の……親友といえた友の成れの果てを……。

 その男の名前を北川潤といった。

 でも、再会に喜びの情なんて湧いて来なかった……。
 やつの近くで倒れている人影は、間違いなく聖さんだった。
 その他にも、無数の白狐がゴミのように散乱している。

 僕がここに辿り着いてしまったのは何の因果だろう。
 幼いツインテールの少女に圧倒されて、みんなが散り散りになった先がこれだった。

 どうして、僕はあの時……殺されなかったのだろう?

 そんな後悔だけ湧き上がってしまう。
 だって、見てしまったのだ。
 僕を裏切っていった北川潤という男を……。

 許せるわけないだろう?
 聖さんだって倒れているじゃないか?

 誰がそれを為したのか考える余地すらなかった。
 今は、疲れ切ったのだろう――やつは地面に腰を落ち着かせていた。

 ああ、きっと僕は、今、こう思っているはずだろう。
 純粋に、ただ子供のように単純な発想……。

 ――――――――――殺す――――――――――

 その為だけに、僕は……北川の後ろにそっと近づいている。
 友情は、もう先に……誰かに殺されていた。
0104霧島佳乃@決戦(15)NGNG
 あたしは怒りに震えていた。
 こんなのは生まれて初めてのことだった。
 塚本千紗と名乗ったツインテールは、眼を細めて見下したように言ってくる。
「だったら、どうするんですか?」
「あなたのこと、倒してやるんだからねぇ!」
「ふーん」
 妖弧の少女は無防備でこちらに歩む寄ってきた。
「え? なに……?」
 あまりのことに何も出来ないでいると妖弧の少女はあたしの頬を張ってきた。
 ぴしっと軽い音。
 弾かれた頬には赤味が差してくる。
 痛みは最初なくて、後になってひりひりと来た。
「早く倒してくださいよ」
「絶対に――」
 言葉を出そうとしたら、今度はもっと激しい痛みが襲ってきた。
 拳で顔を殴られた――それだけだった。
「ほら、あの犬っころを呼んだらどうですか?」
「……うぐっ」
 襟元を捕まれて――どこにそんな力があるのか――あたしの足は宙に浮いていた。
 ポテトはあたしを逃がす為に、妖弧の海に飛び込んでいった。
 それまでは由宇さんが一緒だったけど、傷がひどくてあたしを護るために犠牲になって……。
『佳乃ちゃんだけでも逃げてくれんか? 聖ハンに怒られるのは敵わんからな』
 あたしがそれでも動けないでいると、哀しそうに笑って……。
『佳乃ちゃんは優しいな……。でも、無駄死にだけは勘弁やで……』
 由宇さんは、あたしの肩を掴んで、くるっと回して……背中をポンと押してくれた。
『長生きしてな……うちの分も……』
 何も出来なかった。
 あたしには今もあの時も何も出来ないでいた。
 ――悔しかった。
 足手まといになるつもりなんてなかったのに……。
0105霧島佳乃@決戦(16)NGNG
「これで終わりですか? つまんないですよ。千紗をもっと楽しませてください」
「……あっ!」
 ぽいっと地面に放り投げられる。そして衝撃が襲ってきた。
「にゃあ〜、どうしたんですか?」
 ぐりぐりと幼い妖弧の少女は足に力を込めてお腹を踏みつける。
 あごを蹴り上げるのも、浮遊感が漂うだけだった。
 ……痛いよりも、悲しい。
 どうして、あたしは戻ってきたんだろう?
 何も出来ないくせに、どうして……このままじゃあ終われないって思ったんだろう?
「弱いくせにでしゃばるなんて、身のほど知らずにもほどがありますね」
 そうだ。彼女の言うとおりだった。
 あたしがいたから、由宇さんは……みんなは……お姉ちゃんは苦労して……。
 庇われるばかりで……護られるばかりで……。
 そのせいでみんなが傷つく事だって少なくなかったのに……。
「だから……」
「うん? なんですか? 聞こえませんよ」
 そう、だからなんだ……。
 このままだと、みんなと合わす顔がないって、あたしは……。
「…………」
 私は右手を掲げて、まるでスローモーションのように、左手で黄色いバンダナを解いた……。
 魔法――
 幼いころからずっと憧れていたもの。
「上手に使えたら、いいな……」
 あたしは泣きながら空を見ていた。仰向けで寝ているから良く見える。とても蒼い。
 空から白い羽が落ちてきたような気がした……。
「……お母さん、見ててくれる?」
 頑張れるよね、あたし。
 みんなのために、お姉ちゃんのために、自分のために……。

 ――この地に訪れてくれたすべての人に、祈りをこめて――

「来て、白穂……」
 今、自分に出来ることを、確かめたい。
 ――信じたい。

 辿り着いた先には幸せが待っているって……。
0106名無しさんだよもんNGNG
回すだよもん。
0107名無しさんだよもんNGNG
もう一回だよもん。
0108名無しさんだよもんNGNG
>>82 さらに訂正です。
>建物中に戻ってろ、言われたけど――ではなく――建物中に戻ってろ、って言われたけど、でした。
もう探すのも嫌なくらいに誤字と脱字が……。
0109『HMX−13』セリオ@決戦(17)NGNG
「目標確認しました……」
 機械的な音声の後に機械独特の起動音が鈍く鳴り響く。
 今までスリープ状態だった私でしたが、ようやく浩之の居場所を探知することが出来ました。
 結界ですか、なるほど……サテライトシステムでも見つからなかったわけです。
 しかし、これで浩之を護ることが出来るのですね。
「そう、やっと想いが叶うのよ」
 満足だった。
 それは偽りのない想いだった。
 でも――
『見つけたわよ、浩之』
 どこかの誰かが浩之に近づいていくのがデータに残っていました。
『ほら、外に出たら風邪引くわよ』
 サテライトシステムを使った紹介では長岡志保とあります。
 いえ、私は知っていたのでしょう。
 緊急のバックアップだったせいかところどころ破損しているようです。
「でもね、分かっていないのよ、長岡さん」
 私は目標の建物向かって行動を開始しました。
「浩之は私が護るんだから」
 ……どこかで何かが狂っていたのかもしれません。
 細部に傷があるとか、そういうのは、この街では当然でしょう。
 だからといって、私の心拍数はすこぶる順調でした。
 送られてくるデータも、オールグリーンのランプが照っています。
 そう、異常などどこにもないのです。


『浩之は私が護る浩之は私が護る浩之は私が護る浩之は私が護る浩之は私が護る』
『浩之は私が護る浩之は私が護る浩之は私が護る浩之は私が護る浩之は私が護る』
『浩之は私が護る浩之は私が護る浩之は私が護る浩之は私が護る浩之は私が護る』
『浩之は私が護る浩之は私が護る浩之は私が護る浩之は私が護る浩之は私が護る』
『浩之は私が護る浩之は私が護る浩之は私が護る浩之は私が護る浩之は私が護る』


 目標獲得の為の手段は問いません。
 すべては私の心≠フあるがままに行動します。
「そーいうこと。待ってなさいよ、浩之」
 必ず私たち≠フもとに……。
0110北川潤@決戦(18)NGNG
 視界に入るすべての妖弧を駆逐するのは決して易しくはなかった。
 最初こそ俺の妖気に戸惑っていたが、後は本能的に敵と悟ってか奴らの攻撃は熾烈を極めた。
 身体を啄ばまれて、どこからでも――四方八方から奴らは襲ってくる。
 陣形の整えられた者たちですら、手勢に無勢だったのだ。
 初めから無傷で勝とうとは思っていなかったが、こいつらに殺されるのは面白くない。
(俺はあいつに逢いに来たんだからな)
 そうやって覚悟を決めるのは、あまりにも簡単だった。
「俺のこの手が真っ赤に燃える! 勝利を掴めと轟き叫ぶ! 必殺・ゴッドフィンガー!」
 東方不敗先生から教わった技を妖弧の大群目掛けて解き放つ。
 一撃放つのがやっとだったこの技も、今では何度でも撃てるようになっていた。
(妖弧の力か……)
 忌々しい、というのはなかった。
 少なくても今は皆の役に立っていると実感できたからだった。
(力は使うものの心がけ次第)
 師匠から教わった数少ない言葉のひとつだった。
 後は俺がどうしたいのか? いや――答えなんて決まっていた。
 だからだろうか……その瞬間が来ても驚くことはない。
 それは、妖弧の大群を蹴散らしてやった後の出来事だった。
 後ろに気配を感じた。
 殺気……というよりも悲哀の情だろうか、どちらにしろ、これで終わっても構わなかった。
 わざと眠ったフリをする。
 そう、俺は雅史に会って一言謝りたくてここまで来たんだ。
(……死で詫びるという形も悪くない)
 この手はあまりにも血で染まりすぎた。もう償ってもいいだろう。
 香里、それに舞……すまなかった。
(俺がもう少ししっかりしていたら良かったんだよ)
 そう、素直に思った。
 しかし、俺が望んでいた瞬間は、一向にやって来なかった。
0111佐藤雅史@決戦(19)NGNG
「どうして、どうして、何の抵抗もしないんだ!」
 僕は狂ってしまったのかもしれない。殺そうとしている相手に抵抗を求めているのだから。
 ――傲慢もいいところだった。
「何とか言えよ――北川潤!!」
 虚しい問いかけ。どうしたっていうんだ僕は……こいつは妖弧側じゃないか!
 人であることを止めたって報告があったじゃないか!
 それなのに、それなのに、どうして、こんなにも――悲しんだよ!
「この馬鹿野郎!」
 僕は北川の胸倉を掴んで思い切り殴ってやった。
「気づいてないフリなんてしてんじゃないぞ!」
「……さすが雅史だな、でも、だったらどうするって言うんだ?」
「反撃してみろ! 無様に突っかかって来いよ! 僕を失望させるんだ!」
「……言うね、お前らしくもない」
「黙れよーっ! 貴様なんかに僕の気持ちなんて分かるもんか!」
「ああ、分からねーよ」
「――言ったな!」
 僕はまた手を大きく振りかぶって殴りかかったが、今度は北川の方から拳が飛んできた。
 もろに顔面へと突き刺さる。
「へっ、せっかくチャンスをくれてやったのに、甘いんだよ……」
 どこか楽しそうに微笑む北川に、僕は沈んだ身体を必死に起こして蹴りを放っていた。
「がっ!」
 北川がうめく。
「油断してるのは、どっちだよ。そっち……の方が、ぼろぼろのくせに……」
「……ばーか。そっちだって息が上がってるじゃないか……」
 僕はにやりと笑った。潤もそうだった。
「そういったら、あの時の決着が付いてなかったね……」
「あれは……俺の勝ちだろうに……」
「じゃあ、これはリベンジだよ……掛かって来い、北川潤――!」
「いくぜーっ!」
 そうだ。結局はこうなるんだな、僕達は……。
 でも、悪くない……。
 だって、潤こそ僕の大切な親友だったから……。
0112霧島聖@決戦(20)NGNG
「やれやれ、どうなることかと思っていたが、やはり男の子だな、二人とも……」
 私はあまりの喧騒に眠りから覚めていた。
 頭を二、三度回してみる。ごきごきと首の付け根から悲鳴が出ていった。
 まあ、良好と言えなくもない。
「俺はたくさん殺したんだぞ!」
 心の底から振り絞ったような絶叫を北川君が上げた。
「知ってるよ! だから言ってやる! それがどうしたって言うんだよ!」
「好きなやつも護れなかった! 逆恨みの復讐だってした! アジトの場所を教えたのだって俺なんだよ!」
「ああ、そうか! よけいな世話かけさせやがったな!」
「そうだ。全部が俺のせいなんだよ!」
 二人はなおも――これも喧嘩というのだろうか――拳で語り合っていた。
 北川君の言い分は、まあ問題なところもあったが、自我はマインドコントロールされてなさそうだった。
(アジトの場所か……言い方は悪役だよ、それでは)
 ふっと苦笑する。
 別に彼を非難してのことではなかった。
 相手は邪術士なのだ。そんなものとうの昔に分かっていたことだろう。
 人の弱みに付けこむのが相変わらず上手い。
「潤のせいだって!? 笑わせるなよ! お前ひとりで出来ることなんて泣くことだけだ!」
「なんだって――取り消せよ!」
 北川君の渾身の一撃が、佐藤君に躱されて、カウンターのように拳が飛んでくる。
「これで終わりにしてやるよーーっ!」
「――――!」
 決まったな、と私は腰を上げることにした。
 こちら側に――かなりの勢いで――地面を滑ってくる北川君の肩を受け止める。
0113霧島聖@決戦(21)NGNG
「きりしま、ねえ……」
「もう、喋るな。傷口に障るぞ」
「だって、俺……俺は取り返しのつかないことを……」
 今にも泣き出しそうな北川君の頬を、私は力の限り引っ叩いてやった。
「甘ったれるのもいい加減にしたまえ!」
「…………」
 北川君はびくっと震えて、肩を小さくさせた。
(まったく、出来の悪い弟を持ったような気分だよ)
 それは口には出さないで――言う。
「みんな君の帰りを待っていたんだ……これいじょう我侭を言うようなら問答無用で連れ帰るぞ!」
「…………」
 北川君は何も言わないで、逃げるような……縋るような視線を――佐藤君に送った。
 彼もまた、何も言わないで、ただ……笑って頷く。
「今度は僕の勝ちだよ」
「ああ、貸しにしといてやるよ……」
 そう言って、二人は握手を交わそうと、手を差し出しあった――ところで。
 パーン!
 風船が割れるよりも小さな破裂音――銃声が鳴り響いた。
「北川……?」
 私と北川君の目の前で、北川君の頭部は何者かに撃ち抜かれていた。
0114名無しさんだよもんNGNG
>>113 最低だ。
私と北川君の目の前で――ではなく――私と佐藤君の目の前で、でした。
0115名無しさんだよもんNGNG
ああ、もう観鈴ちんかよ、俺は……。
0116名無しさんだよもんNGNG
がおがお。
0117名無しさんだよもんNGNG
とりあえず回すの終了です。
0118名無しさんだよもんNGNG
>>113 ちょっとした訂正。
今にも泣き出しそうな北川君の頬を――ではなく――北川君のその頬を、の方が良いですね。
0119犬神ポテト@決戦(22)NGNG
 主様を助けようとしたのはいいが、俺の力も限界に近かった。
 ここは俺様のプライドを捨ててでも、誰かに頼るしかない。
 雪の街を駆けている途中、そいつらに出会ったのは幸運といえるだろう。
 大人しそうな顔立ちの女と、ふちのない眼鏡をかけた女に俺はこう命令した。

「ぴこぴこ〜」
(おい。てめーら力を貸してくれい!)

「……なんですか、この犬畜生は?」
「なんか慌ててるみたいね」

「ぴこぴこ〜」
(いいから付いて来いよ! とろくせー!)

「なんだか、こう……非常に不愉快な気持ちになりますが……何故でしょう……?」
「奇遇だな……。俺もそうだよ」

 くそっ、言葉が通じないとは……ああ、なんかいい手はないものか?
 仕方ない、下手に出てやるか。

「ぴこぴこ〜」
(ああ、俺が悪かったよ。助けてください。お願いしますよ)

「……え? DC版こみっくパーティまたもや発売延期?」
「それって何回目だよ!?」

「ぴこぴこ〜」
(てめーなめとんのか! 違うだろうが!)

「……え? DC版AIRは声付けただけで売れるのに情けない? 所詮はそれまで?」
「お、おい、彩……こんな犬畜生にムキになるなよ?」
「……ついでに、『まじ☆アン』はアニメ化どころか移植もされない駄作品って言ってます」
「てめー、言ってはならないことを言ってくれたな……殺してやろうか?」
「ええ、所詮『葉』と『鍵』は相容れない仲だったということです……」
0120犬神ポテト@決戦(23)NGNG
「ぴこぴこ〜」
(ちょっと待て! なんでそうなる?)

 わざとやってるんじゃないかこいつら、と思いつつも言葉が通じないなら、
 何とかジェスチャーで伝えてみようと試みる。

「ぐわっ!」
「リアンさん、どうしたの?」

 いきなり倒れ込む眼鏡っ子に、さすがの俺も「持病も持ちか?」と心配してしまった。
 だが――

「マジックポイントを吸われたみたいだ!」
「この犬畜生の不思議な踊りにですか!?」

 ぜってー殺ス! 俺は心の底からそう思っていた。 
 ところで――

「あのさ、もしかして霧島さんの妹がピンチだって言ってるじゃないかな?」

 ツインテールの女が俺の心を熱烈に代弁してくれた。
 ナイス! イカス!

「……それでは遊びはこの辺にしときましょうか……」
「ああ、そうだな……」

 いきなり真顔になる二人の頬に冷や汗が流れているのを俺は見逃さなかった。

「ぴこぴこ〜」
(大丈夫なのか、こいつら?)

「まあ、便りにはなるわよ」

 そう応えたのはやはりツインテールの少女だった。
 もしかして、言葉通じてる?
0121名無しさんだよもんNGNG
>>120
便りじゃなくて……頼り……。
0122名無しさんだよもんNGNG
きっと疲れてるんだ……と自己弁護しとく。
0123雛山理緒@決戦(24)NGNG
 医務室から出てきたところで藤井さんに話し掛けられた。
 サラさんの容体についてだった。
 スフィーさんの魔法でひとまずは大丈夫だという旨を伝えるとほ彼はっとしたようだった。
 この人も大変だなーと素直に思う。

 宮田さんのことはスフィーさんには話しておいたけど納得顔で頷かれただけだった。
 重要視していない、というよりも――仕方ない、というような面持ちだったのが印象に残った。
 あの因縁の名刀・村正が消えていたのも彼が持ち出したからだろう。

 まあ、心配事はたくさんあったけど、長岡さんに呼び出しを受けているのが今のところ一番だった。
 ちょっと目を離した隙に藤田君がいなくなっていた。
 探すのを手伝ってもらおうと長岡さんに言ったら、私はこっぴどく怒鳴られたものだ。
 うー、それって考えてみたら、あの人に気絶させられていたからなんだよね。

 でも、仕方ないか……長岡さんの気持ちってよく分かるから……。
 だって、私も藤田君のことが……。

 入り口の方から誰か入って来たことに気づいて、私はその思考を中断させざるを得なかった。
 妖弧だろうか、と身体を堅くさせてしまったが、視界に入ったのはセリオさんだった。
 結界に引っかからなかったということは、敵ではないということだ。
 だから、藤田君と面会したいという彼女の申し出を私は快く受けてしまった。

 それが悲劇の始まりであったことに今の私は気づかなかった……。
0124名無しさんだよもんNGNG
回すだよもん。
0125名無しさんだよもんNGNG
さらに回すだよもん。
0126霧島聖@決戦@(25)NGNG
「うわあああぁぁぁあああああああああつつつつつつつつつつーーーーーーーー!!」
 悲鳴を上げたのは佐藤君だった。
「北川! 北川! 潤! どうしたんだよ、潤! 起きろよ! 目を覚ませよ! なんで黙ってるんだよ!」
「落ち着きたまえ、佐藤君――来るぞ!」
 私は冷静に――表面上だけでも取り繕って――周囲に気を配っていた。
 どうして敵の接近に、今まで気づかなかったのか自らを叱責する。
(北川君……)
 私も怒りを隠せなかった。
 確かに彼は罪のない者をこの手にかけただろう。
 だからと言って、これが報いなのか!
 もしも神がいるというのなら、なぜそんな過酷な運命を背負わせなさる!
 せっかく、私たちのもとに帰ってきてくれたというのに……。
「くくく、そやつは妖弧だろう? どうして怒る?」
 嘲るような笑みが真正面から聞こえてきた。見ると黒いフードに見を包んだ女性がいる。
 知っている……私がこの身を変えた場所で見たことがある。
 誰彼の強化兵士・岩切花枝……。
「貴様か! 貴様が僕の潤を殺したのか!」
「ああ、そうだよ」
 今にも突進しそうな佐藤君を手で制して、私はまだ何かある――と周囲に気を分散させていた。
「確かに北川君は妖弧の欠片を身に宿していた――しかし、悪ではなかった」
「詭弁だよ、それは」
 岩切がそう笑ったところで、また銃声が響いた。
 もちろん、私はそいつの接近に気づいていたので佐藤君を抱きかかながら横に跳ぶ。
「ちっ、逃がしたか!」
「御堂もか……貴様ら、一体何を考えている!?」
 私は怒りを顕わにして、そう叫んだ。
「はん! 俺が欲しいのは完全体だ! それ以外は興味は持ち合わせてね!」
 御堂は連続で銃を撃ってきた。しかし、そう簡単に当たって堪るものでもない。
 だが、問題は実は佐藤君のほうだった。今も私の手から抜け出してやつらに戦いを挑もうとしている。
 気持ちは分かる。でも、今戦ったところで無駄死なのは目に見えてる。
 ――逃げるしかない。
(すまない、北川君……)
 私ひとりなら即刻、やつらに飛びかかったかもしれないが、今は佐藤君がいる。
 だからこその撤退だったのだが――
0127霧島聖@決戦@(26)NGNG
「囲まれている……?」
 正直言って、ぞっとしたのは恐怖からだった。
 他のものなら気づかないような敵意みたいなものが周囲に散らばっている。
 殺気はない。そう、ないのだ。
 しかし――長年の勘が危険だと警告していた。
「……気づかれている様だぞ」
「ああ、まさか気づくとはな……勘のいいやつだぜ。まあ、いい――なら見せてやろうじゃねーか!」
 御堂が私たちを指差すと、辺り一面から銃弾が飛んできた。
 さながら鉛の雨。躱す意思すら無くなるような絶望の弾数だった。
 私はきつく目を閉じた。それらを躱す術がないことを知って……。
 だが、実際にはどうだ? 私は傷を負っていないどころか、むしろ回復していた。
「もう大丈夫ですよ」
 そう微笑みかけてくるのは、よく知った馴染みの顔だった。
「高子君……それに麗子もか……」
 桑島高子と石原麗子……ともに医療機関で知り合った仲だった。
 それに、最強の強化兵・坂上蝉丸……。
「よくも貴女が腰を上げたものだな、石原先生……」
「あら? 私の可愛い後輩だもの。見捨てては置けないでしょう?」
 それが嘘だというのはすぐに分かった。
 彼女は動かない。例え地球が終わるその日でも。ただ見届ける……。
「まあ、ちゃんとした理由もあるんだけどね」
 麗子は、御堂と、その隣にいるもうひとりの強化兵、岩切を睨みつけた。
0128霧島聖@決戦@(27)NGNG
「犬飼とクローンの杜若は抑えてあるわ! もうよしなさい!」
「ぎゃはははははーーーっ! 笑わせるなよ! ここまで来て止められるわけねーだろが!」
「待て御堂! 石原麗子、どういうことだ?」
 御堂が銃を構えるのを制して、岩切は麗子に話を促した。
「そのままのことよ。犬飼が政府の高官に入れ知恵をして、彼の地にある生命樹を奪おうとしていたのが明るみに出た」
「犬飼はどうなった?」
「警察に連行。証人喚問は後日」
「なるほど」
 岩切同様、私も胸中で頷いていた。麗子の動いた理由はこれだったのだ。
 自分の配下にあるものが仕出かした事件なのだ。これなら責任者である麗子が出張らないわけにはいかない。
「そうか、ならば……」
「投降してくれる?」
 まるで期待していない声音で麗子が言う。岩切は笑った。
「……ならば、止まることはもはや出来なくなった。お前らにはここで死んでもらおう」
「そんなことしてただで済むと思っているの?」
「いや。だが……それなら余計に妖弧側に付かなければならないだろう……」
「どういうことかしら……?」
「完全体を目指しているのは何も御堂だけではない……私もそうだと言うことだ」
 岩切が短剣を構えると、毛卑た笑みを浮かべて御堂が絶叫した。
「やれ! てめーら! こいつらを殺せ!」
 その声に応じたのは視界の隅々まで埋まるほどのメイドロボットたちだった。
「情けないことにね、量産型のHMX−12型をやつらにおさえられたのよ。その数300くらい」
「――馬鹿者! 本当に情けないわ!」
 たまらずに突っ込んでしまった。
「確かに状況は不利だな……」
 そこに今まで黙していた青年が立ち上がっていた。
 戦いが始まる……。
0129名無しさんだよもんNGNG
一生懸命に回すだよもん。
0130名無しさんだよもんNGNG
まだまだ回すだよもん。
0131決戦@エピローグNGNG
 我が子よ…。
 よくお聞きなさい。
 これからあなたに話すのは、とても大切なこと。
 母から子へと、伝えられていく。
 とても悲しい記憶の物語りなのです。

 これまで幾多の試練がありました。
 悲しいこと辛いことも数多くありました。

 それでも私たちは無限に記憶を紡いでいきましょう。
 それこそ、この星の生きた証。
 私たちは、星の記憶を司る者なのです。

 星の記憶は永遠に幸せでなくてはなりません。
 憎しみや争いで空が覆い尽くされた時、
 この星はあらゆるものを生み出した己を忌むことでしょう。
 すべては混沌に戻り、そして無に帰すでしょう。

 だから、私たちは幸せであり続けましょう。
 地や空や海に暮らす者たちすべてに、無限の恵みをもたらすよう……。
 それこそが、私たちという種の役目。
 忘れることを許されない、私たちの誇り。

 でも、時に立ち向かえるほど、私たちは強くもありません。
 私たちもいつの日か、滅びのときを迎えるでしょう。
 それは、避けようのない結末。

 けれど、最後は…。
 星の記憶の担う最後の子には……。
 どうか、幸せな記憶を。

 その時こそ……。
 私たちは役目を終え、眠りにつけるのでしょうから。
0132葉鍵聖戦@プロローグNGNG
 別れの時が来ました。

 星は不幸で心を満たされました。
 あなたと暮らした日々では補えないほどの悲しみがあります。

 私は行かなければなりません。
 この星の悲しみを癒す為に旅立たなければなりません。

 けれど、最後は…。

 星の記憶の担う最後の子には……。
 どうか、幸せな記憶を。

 我が子よ…。
 大切な私の子供……。

 あゆ。

 月の巫女よ。

 あなたには、あなたの幸せを……
 その翼に、宿しますように……。

 あなたには、その力を生み出せる力があるのです。

 それは、ただ、純粋な……。

『――――』なのですから。
0133名無しさんだよもんNGNG
だよもん♪ だよもん♪ 『決戦』がやっとひと段落だよもん!
0134名無しさんだよもんNGNG
まあ、何だか全然終わっていないように見えるかもだよもん。
0135名無しさんだよもんNGNG
と、素に戻って恐縮ですが、これまでの数日の連続カキコ申し訳ありませんでした。
0136名無しさんだよもんNGNG
本当は『決戦』を二日くらいで終わらすつもりだったのですが、見ての通り――
まる一週間ほども掛かってしまいました。
0137名無しさんだよもんNGNG
『決戦』は今ある状況把握のために書いていたのでして、
話も途中で区切って、入り易いところ(主観ですが)で留めているつもりです。
0138名無しさんだよもんNGNG
余計なお世話といわれるかもしれませんが、やっぱり私もリレー小説を楽しみたいので、
我侭かもしれませんが、皆さんにも入っていただけれたら、という想いです。
0139名無しさんだよもんNGNG
そんなわけでクオリティよりもスピード重視でしたが、それはこれまでにしときます。
0140名無しさんだよもんNGNG
……て、何だかいい子ちゃんみたいで嫌ですね、こういうの。
0141名無しさんだよもんNGNG
本音を言ったら、だもんよ氏の、だってばよ氏の、美汐たん書いてます氏、
書き手さんだよもん氏、某一書き手氏、それに他の皆さんの話がもっと読みたいんだよもん。
0142名無しさんだよもんNGNG
もちろん時間が取れないとかの理由は分かってるんですが……。
さすがに智子たんや美汐たんの話は今までの書き手にこそ相応しいと思ったもので。
0143名無しさんだよもんNGNG
うー、意見の押し付けは厨房だって分かってるんですけど、なんだかもったいなくて……。
0144名無しさんだよもんNGNG
とりあえず回すのは終了ですね。回線切って逝っときます……。
0145牧村南@天候不順(後編)(1/3)NGNG
「あらら。少しすみません」
 突然なつきさんがポケットをまさぐりだしました。そこから取り出した手には一台の携帯電話
が握られていました。バイブにしているのか、振るえながら着信を知らせています。
「ちょっと席を外しますね」
 なつきさんはそう言って、慌てて車両のデッキまで移動しました。
 やれやれと思ったとき、私も用を足したくなったので彼女についていく形になりましたが。

 とにかく、済ませるべきことを済ませてからトイレを出ようとした時、電話で話している
なつきさんの声が聞こえてきました。
「……どうしたの? なに……それ本当……?」
 先程までののんびりとした感じとは打って変わって、ドスを効かせた口調でした。目つき
もさながら相手が目の前にいるのなら睨み付けているといった具合です。
「……分かったよ。今から行くから、地下鉄の梅田……いや、環状線のホームで待ってて」
 なつきさんはそこで携帯電話のスイッチを切ると、何事もなかったかのようにデッキを後
にしました。
 ……何か思わしくない事が起こったのでしょうか……?
0146清水なつき@天候不順(後編)(2/3)NGNG
 ――さっきの会話……多分、南さんに聞かれただろうな。
 なつきはそんなことを思いながら座席に戻ったよ。
 電話を切る際……ちらっとトイレの方を横目で見ると、わずかに開いたドアの隙間から誰
かが覗いいたのが見えた。気配からそれが南さんだと分かるのには、難しくなかった。
 もっとも、聞かれたとしても困るってわけではないけど。
 ただ、どうやらなつきだけ予定を変更しなければいけないみたい。

 南さんが元の座席に腰掛けたのを確認してから、なつきはそっと彼女に耳打ちをした。
「すみません……ちょっと用事ができたので、なつきは新大阪で降ります。それが終わった
ら、すぐに追いかけますので」
「そうですか。大変ですね」
「いえいえ。ちょっと、先日の高野の爆破事件について、なつきの知り合いがそれに心当た
りがあると言い出してきたものですから、その人に会って真偽を確かめようと思いまして。
 とにかく、南さんらはこのまま東京に向かってください。そこから新幹線と特急を乗り継
げば、今日中には旭川までにはつけると思いますので。そこから先は、現地付近にいる知人
に車で迎えにこさせようと思うのですけどどうでしょうか?」
「確か旭川から彼の地までも100キロ以上離れているのですよね? だったら、迎えにくる人
に結構負担がかかると思いますので、札幌か旭川で1泊してから向かうつもりです」
「そうしたら……一応彼の地付近までの乗車券と札幌までの特急券等を渡しておきますね」
 とにかく南さんに切符と、特急券やグリーン券、さらには念のために、数万の現金を預け
ておいた。
0147清水なつき@天候不順(後編)(3/3)NGNG
 それから、しばらくして列車は新大阪駅に到着した。
「じゃあ、後はお願いします」
 なつきは列車から降りると、客席の中でこちらを見つめている南さんに大きく手を振っ
た。神尾親子と敬介さんはそれに気づく様子も無く、ただ眠っていた。
 まあ、彼らには後で電話で事情を話しておくとするかな。
 やがて、すぐに発車を知らせるアナウンスが駅の構内に流れ、列車のドアは閉まった。
 南さんらを乗せた列車が出発するのを見送った後、なつきはホームの階段を下りた。

 すぐに新大阪駅から在来線の列車で一駅――大阪駅まで行った。
 列車を下りるとそれまで気づかなかったけど、結構暑かった。
 これまで、年中暑いカンボジアにいたけど、もう日本も夏になってきたのかな、なんて思ったりもした。
 まあ、それはともかくなつきはそのまま環状線のホームに向かったよ。
 お昼で結構人でごった返したけど、探していた人物はすぐに見つかった。

「お久しぶりね。あなたに会うのは確か1年半ぶりね」
 黒いロングヘアーに黒のワンピースを着た、おとなしそうな女性――それはどこかのお嬢
様といってもおかしくない雰囲気(といっても、かつては本当にお嬢様だったのだけどね)
だった。
「ひさしぶりだね。元気にしていた――きよみさん」
「ええ。おかげさまで。
 といっても、『元気?』なんて訊かれると、妙に思うのは私だけかしら?」
「そういえば、あなたの状態を踏まえたらたしかにそう思うのも無理はないかもね」
 なつきとその女性――杜若きよみさん――は互いにおかしく思い、クスクスと笑いあったよ。
0148某一書き手NGNG
とにかく回し。
0149某一書き手NGNG
天候不順の前編で名前を書いていなかったです。
0150某一書き手NGNG
遅れまして、皆様お久しぶりです。
0151某一書き手NGNG
ようやく復帰ネタを書き込んだ次第です。
0152某一書き手NGNG
>>141の書き手さん
漏れもこれから入っていきますので、こちらこそ一つよろしくお願いします。
0153某一書き手NGNG
それではこの辺で……。
0154高瀬瑞希 〜 In the pention (1/5) 〜NGNG
 んんっ……。
 ここは……?

 目を覚ますと、白い天井が見えました。
 窓が近くにあるのか、まぶしい光が差し込んできているようです。
 ただぼんやりとしか見えないので、体を起こそうとしました。

 ……イタッ!!

 途端に全身に激痛が走りました。手も足も――顔でさえもまったく動かせません。
 あまりの痛さに私は思わず悲鳴をあげてしまいました。

「ちょっと。無茶しないでよね。
 全身の骨が折れてしまって、全然直りきってないってのに」
 いきなり真上から声がしたかと思うと、一人の女の人が私の顔を覗き込んできました。
「まだじっとしててね。
さすがにあんたでもこの怪我を治すのには、だいぶ時間がかかると思うし」
 ――え?
 この人は知っているのでしょうか……私が作られた妖狐だってこと……。
 それより……

 かずきは……どこなの……。
 あいたいよ……。

 私は思い出しました。ずっと逢いたくて仕方のない人。
 ただ、つい先ほど顔を合わせた気がしましたがよく覚えていません。
 思い出そうとしても、そのときの記憶がまったくないのです。

 ただ……私が2回も――浩平って人と真琴に捨てられてしまったのは覚えていました。
 私はこのようにずっと捨て去られ続けなければならないのでしょうか……。
0155高瀬瑞希 〜 In the pention (2/5) 〜NGNG
「かずき? 彼もここで手当てしてるけど」

 その答えに私は思わず飛び起きようとしましたが、さっきと同じでとてつもない痛み
が全身をを襲いました。思わずベッドの上に転がります。

「まったく……彼氏に会いたいのは分かるけど。もう少し落ち着いたら?
 あんた、まだ動ける状態じゃないのよ。その辺分かってよね」
 その女の人は仕方なさそうといった顔つきで、小さくため息をつきました。
「とにかく今は動ける状態にするのが先よ。彼の方もあんたと同様、全身ボロボロで動
けないし……。
 おっと、そういえば初対面の人に名前も言わないのはどうかしてるわね。
 あたしは吉井ユカリ。これからもよろしくね」
 ユカリって人はそう自己紹介を済ませると小さく微笑みかけてくれました。
 どうやら暖かく迎え入れてくれるようです。

「とにかくじっとしてるのも何だから、ラジオでもつける?」
 ユカリがそういうので、私は小さく「ええ」といいました。ユカリは近くにあるらし
きラジオのスイッチを入れたのでしょうか、陽気な男の人の声が流れてきました。

『……今は6月1日の午後2時30分! ここで曲を一曲リクエストで……』

 6月1日……1月7日じゃないの?
 ちょっと……5ヶ月近くも眠っていたってこと!?
 私はすっかりわけがわからなくなりました。

 でも、怪我をしている私を介抱しているユカリって人……どうやら私を捨てるってこ
とはしないように思えます。

 でも……どことなく不安です。
 私はそんな気持ちで、ずっとベッドの中にもぐりこんでいました。
0156吉井ユカリ 〜 In the pention (3/5) 〜NGNG
「んで、彼女の様子はどうなの?」
「そうね。法術を使っても完治するまでには2週間はかかりそうね。
 なにせ全身の骨を折られている上に、内臓も破裂寸前のところまできていたのだから。
 あれで生きているのが奇跡っていってもおかしくないぐらいよ」
「一方で彼氏の方は、意識不明の重体ってとこか。ホント手が焼けるわね」
 テーブルに肘をついて、紫煙をくゆらせながら、目の前の正天使は仕方なさそうな
表情でそうつぶやいた。

 彼の地から25キロほど離れた山奥にあるペンション――
 ここに来てから既に3ヶ月半になるかな……。
 確か、その丘のある彼の地に行った時はこの辺も一面の雪で埋まっていたっけ。
 その時は高野の連中が妖狐退治どころか、身内の天野さんを鎮めるのにも手間取って
いたから、その馬鹿っぷりを見てやろうと思った。
 そうしたら、彼の地で知り合いのリアンに会ったんだけど、彼女はいきなり
「ここは危ねえから、避難しな」って、このペンションに隠れておくようにって言って
きた。
 話を聞くと、岡田を妖狐どもが仲間に引き入れようとするためにあたしを半妖にしよ
うとしているとの事だったから、素直にそれに応じた。
 さすがに岡田に迷惑は掛けられないから……。

 しばらくひとりぼっちだったけど、それにも慣れた。
 そうしたら、4日前に知り合いの人が、数人のけが人を抱えてやってきた。
 それが目の前にいるユンナさんだった。
 かつて高野にいた頃に法術を教えてくれて、面倒を見てくれた清水さんの知人だという。
0157吉井ユカリ 〜 In the pention (4/5) 〜NGNG
「んで、彼の地のあたりは相変わらず吹雪が吹き荒れているっての? 3ヶ月前みたいに」
「信じられないけど、そうなのよ。春が来るどころか、日付は1月7日のまんま。
 時は確実に止まりつつあるわ」
「それって小耳にはさんだことがあるけど、永遠に飲み込まれそうになってるってこと?」
「そう思いがちなのけど……違うのよね」
 ユンナさんは残り少ない煙草の火を灰皿の上でもみ消した。
 そして、そっとテーブルに隣接している窓に目をやる。
 窓の外は到底冬とは思えない――北国の山奥の夏の風景が広がっていた。

「違うって、どういうこと?」
 さっぱり分からなかった。ただでさえ『永遠がやってくる』という事もあいまい過ぎて
分からないというのに。
 この人は何かしらの手がかりでも掴んだのだろうか?
「そうね……言葉には簡単に言い表しにくいんだけど……」
 ここでユンナさんは一旦言葉を切ってから、続きを切り出した。

「彼の地の『永遠とされている空間』は『邪術師が作り出した』って気がするのよ」
0158吉井ユカリ 〜 In the pention (5/5) 〜NGNG
 さっぱり意味がわからなかった。
 ていうか、永遠を邪術師が呼び出しているのだから、そのことを言い換えた
に過ぎないって気がするんだけど。
 それってどういう事……と話し出そうとしたその時だった。

「……もう少し分かりやすく話してほしいわね」

 背後から声に振り向くと、そこにはパジャマ姿の晴香さんが立っていた。
 ただ、腕や頭に包帯を巻いている彼女が時折ふらついていているのを見ると、
痛々しく感じられた。

「まったく貴女は仕方が無いわね。もう少し寝てなさいって言ったでしょ。
 そんなのでよく2階から下りてこられたわね」
 ユンナさんは呆れたといった様子で、晴香さんのそんな姿を見ていた。
「なんとなくじっとしてられなかったのよ。
 降りてみたらあなたたちが永遠の話をしているから気になって……」
「本当になんて言うか……。
 まあいいわ、内臓はだいぶ回復しているから……そこにかけなさい」
 ため息を吐きながら、ユンナさんは晴香さんに私の隣の席につくように促した。
0159名無しさんだよもんNGNG
さぁて、回しますか。
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