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葉鍵聖戦 3rd Period

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0001名無しさんだよもんNGNG
2000年冬から2001年へ不意に続く、もう一つの世界。

葉鍵キャラがオリジナル設定で大暴れしまくりな日記形式のリレー小説だゴルァ(゚д゚)
書き手も読み手もルール守ってマターリ逝こうぜゴルァ(゚д゚)

1 基本的にsageでお願い致します。
 (ただし、dat逝きを防ぐためにageても構いません。目安はスレッド順位が300位以下になった時です)
2 どんな人間がどのキャラを書くのも構いませんが、それまでの伏線は重視する方向でお願い致します。
3 あまりに立て続けのカキコは自粛しましょう。
4 これはあくまでの2chのスレッドです。
  当然書き手に否定的な意見等もあるかもしれませんが、いちいち反応せずに作品で結果を見せましょう。
5 他の書き手が納得出来ない展開はご遠慮下さい。
6 新規参入者は、過去ログを熟読して下さい。
7 1つの書き込みをした後には必ず2回ほど回して下さいますようお願い致します。
  なお、連続で書き込む場合は、書き込みが終了した後に数回回して下さい。

では、貴方も葉鍵な聖戦の世界へ……

なお、過去ログ等は>>2にございます。
0261名無しさんだもんよNGNG
ト。
0262名無しさんだもんよNGNG
0263名無しさんだもんよNGNG
0264名無しさんだもんよNGNG
0265名無しさんだもんよNGNG
0266名無しさんだもんよNGNG
ダ。
0267名無しさんだもんよNGNG
回し完了。
>>253-256
即興で書いたため、なぜか悟空対フリーザみたいになってしまいました。お許しを。
続きは任せました。
0268月宮あゆ@夢の少女(1/10)NGNG
 夢……。

「あゆちゃんっていうんだ?」
「うん」

 夢を見ている……。

「わたしのことはなゆちゃんでいいよ」
「……なゆちゃん?」
「ええい。ややこしいから止めてくれ!」

 それは夢……。

「ボクは名雪さんって呼ばせて貰うことにするよ」

 楽しかった思い出で……。

「でも、なんだか他人行儀みたいで残念だよ」
「まだ会ったばかりじゃないか」

 そして、過去の出来事……。

「そうなんだけど、どうしてか懐かしい感じがするんだよ……」
「……え?」

 反芻される……。
0269月宮あゆ@夢の少女(2/10)NGNG
「この子は……?」
「相沢祐一、知っているでしょう?」

 これは別の夢……。

「ええ。何かと有名ですし」
「率直に言うわ。彼のこと秋子に預かって欲しいのよ」

 違う人の記憶……。

「……なんのためにかしら? 彼のこと――私は知っているって言ったのよ」
「悲しい夢を終わらせる為によ。天野美汐は私のところにいる。この意味の分からない貴女ではないでしょう?」

 ひとりは秋子さん……。

「今ある負の元凶ですか。九尾復活も近いということですね」
「いいえ。今度は復活どころか覚醒するのよ。千年の因縁が解放されるわ」
「……それでも、私は興味がないわよ、由紀子」

 もうひとりは高野の法術士……。

「そこに永遠が降り立つとしてもかしら?」
「……知っていたの? いえ、ようやく気づいたのね貴方達も……」

 ふたりとも真剣に言葉を交わしている……。

「相沢祐一のもとに九尾は必ず現れる。秋子にはただそれを受け入れて欲しいだけ」
「……出会いは避けられないけれど、悲劇は避けられるかもしれない、そういうこと?」

 女の人は小さく頷いていた。
0270月宮あゆ@夢の少女(3/10)NGNG
 夢が渦を巻いている。
 大海に放り出されたように見えるものは青ばかりだった。
 ボクは何かを探していた。
 とても大切で無くしてはならないものだったはずなのに、ボクはそれが何なのか思い出せない。
 プレゼント? 誰からから貰った贈り物なの? それは天使の……。

 また、夢がカタチを変える。
0271月宮あゆ@夢の少女(4/10)NGNG
 誰かが泣いている。
 ぐしゅぐしゅと涙を浮かべている。
 霞んだ視界は出来の悪い映像を見てるかのようにいびつに歪んでいた。

「お母さん……」

 その子は何度もうわ言のように『お母さん』と繰り返していた。
 白いリボン。幼い顔には涙の跡が痛々しく残っている。鼻の頭も少し赤くなっていた。

「えーとだな……」

 そこに女の子と同じ年くらいの男の子がいた。
 男の子は困ったように言葉を捜している。

「とりあえず、きみの名前は?」
「……えぐっ……えぐっ……」

 男の子の問いを返せずに女の子はまだ泣いていた。
 深い悲しみに女の子は包まれている。

「えぐっえぐっ? へんな名前だな……」
「うぐぅ、違うもん……」

 ゴシゴシと涙目を擦って女の子は口を動かそうとした。
 そして……。

「ボクの名前は――」
0272月宮あゆ@夢の少女(5/10)NGNG
「月宮あゆちゃん……?」

 秋子さんは小さな声でボクの名前を繰り返していた。
 祐一君も隣で不思議そうにしている。

「あの……ボクの顔に何かついてるかな?」
「たいやきの餡子がついてるぞ」
「え? 本当!?」
「もちろん嘘だ」
「うぐぅ、祐一君の意地悪……」

 気まずくなった雰囲気を緩和するようにボクらは他愛ない会話をしていた。
 それでも、秋子さんの様子は変わらなかった。

「あゆちゃん……」
「はい」

 呼ぶと言うよりは口から漏れでたように秋子さんが言う。
 暫くの間、秋子さんとボクは見詰め合うことになってしまった。
 なんだか気恥ずかしい……。

「いいえ、ごめんなさい。やっぱり私の気のせいですね」

 どこか遠くを見るように秋子さんは言った。

 夢は巡りくる――
0273月宮あゆ@夢の少女(6/10)NGNG
「私はあゆちゃんのお母さんにはもう≠ネれないけど……」

 意識が遠のいていく。
 ボクはどうして今ごろになってこんな夢を見ているんだろう。

「あゆちゃんとは、家族になれると思っているから」
「秋子さん、ボクは……」

 もうずっと前の意識の欠片。
 あの日から閉ざされていた思い出たち。

「行くところが無いのなら、あゆちゃんが良かったらだけど……一緒に住まない?」
「え? でも……」

 もっともっと遠くにあった昔の記憶が開かれていく。
 秋子さんに抱き締められると、とても懐かしい。

「もう、どこにも行かないで、あゆ……」
「……秋子さん、泣いてるの?」
「……あゆ、ごめんね……ごめんなさいね……」

 探していたものはなんだったのだろう。
 追いかけていたものはなんだったのだろう。

 答えは未だ出ない……。
0274月宮あゆ@夢の少女(7/10)NGNG
「お母さんを探しているんだ」

 また小さな女の子が出てくる夢だった。

「ずっとずっと昔から探しているんだよ」
「あゆ……」

 しかし、それはボク自身だった。
 今のボクにはない記憶を女の子は持っている。

「本当のお母さんはもう居ないから、ボクのお母さんはあの人だけなんだ」
「……もう居ないって、どういうことだ?」

 どういうことなのか、ボクにも分からなかった。
 知りたい……。

「女の子は夢を見るんだよ」
「え?」
「……祐一君は、翼人って知ってる?」

 女の子は知っていた。
 ボクはそれを思い出してしまった。

「ボクは滅んでいった星の記憶を受け継いでいるんだよ」

 そこには何も生まれなかった。
0275月宮あゆ@夢の少女(8/10)NGNG
「――は邪術士の貴女も例外ではないのよ」
「そうね……認めるわ」

 辿ることは夢の終わりを意味している。
 そこに生まれるものを温かく包み込むために存在したい。

「つまりは私たちだけでも負に飲み込まれないようにしないといけないのよ」
「力が必要なわけね? 残念だけど私の力の大半は名雪の生命維持に使ってるから期待はしないでよ」
「分かっているわ。その為に秘術と秘薬を用いるの」
「……続けてくれる?」
「ひとつは『相互供給型連動式秘術<比翼>』を使わせてもらう」
「互いの霊力の置き換えですか? 確かにそれなら力≠相乗の効果で得られるわね」

 ボクは形なんて無い夢の中を漂っている。
 悲しい夢も、辛い夢も、楽しい夢も、嬉しい夢でも、そこではひと括りの存在だった。

「それと『輪廻転生回転丹<枝伝>』を貴女に差し上げるわ」
「……これは?」
「反魂の術なんていう夢追い人の作り出した生命維持の方法よ。
 もちろん完全ではないけど、あの子にはそれなりに効くんじゃない?」

 そして、ボクの夢は……。

「いい? <比翼>は互いの霊力を高めあう術よ。どちらかが欠ければその効力は失われる」
「私なら大丈夫よ。それより問題は貴女の方じゃない?」

 七年前のように……。

「それも考慮のうえよ。私の霊力の源は<月の霊法>よ。もし私が存在が終わったとしても受け継ぐものが、
 <月の霊法>の本当の意味を知ってくれれば、同じ効果が得られるわ」
「用意周到なことね。邪術士の私に何を期待してるのかしら?」

 今、消える……。

「秋子には悪いと思っているわ。でも事は急を要するのよ。あの子たちのために私が終わらない夢≠終わらせたい」
0276月宮あゆ@夢の少女(9/10)NGNG
 夢……。
 夢を見ている……。

 毎日見る夢。
 終わりの無い夢。

 赤い雪。
 流れる夕焼け。

 赤く染まった世界。

 誰かの泣き声。
 子供の泣き声。

 夕焼け空を覆うように、小さな子供が泣いていた。

 どうすることもできずに、ただ夕焼けに染まるその子の顔を見ていることしかできなかった。

 だから、せめて……流れる涙を拭いたかった。
 だけど、手は動かなくて……頬を伝う涙は雪に吸い込まれて……見ていることしかできなくて……。
 悔しくて……悲しくて……。

 大丈夫だから……。
 だから、泣かないで……。

 言葉にならない声。
 届かない声。

「約束だから……」

 それは、誰の言葉だっただろう。
 夢が、別の色に染まっていく。

「うん、約束だよ」

 ただ、ボクは約束を果たしたかっただけだから。
0277月宮あゆ@夢の少女(10/10)NGNG
 目が覚めていた。
 雪が降り積もっている。
 ボクの体は白い雪に埋もれようとしている。
 でも、周囲は赤かくなっている。
 頭から血が流れているみたいだから。
 指先にすら力が入らない。
 視界は闇に包まれていた。
 何も見えていないのと一緒だった。
 誰かがにじり寄ってくる。
 冷たい空気。
 頭痛のような痛みと痺れたような感覚。
 また、意識が遠くなる。
 そうか、またこれも……。
 夢の続きなんだ。

「あゆちゃん、死んで」

 悪夢は終わらない。
0278名無しさんだよもんNGNG
だよもんだよもん。
0279名無しさんだよもんNGNG
回すだよもん。
0280名無しさんだよもんNGNG
回すのって案外大変だよもん。
0281名無しさんだよもんNGNG
まだまだ回してみるもんだよ。
0282名無しさんだよもんNGNG
しかし今回の話は意味不明だよもん。
0283名無しさんだよもんNGNG
伏線ひとまとめだよもん。
0284名無しさんだよもんNGNG
話が長くなって鬱だよもん。
0285名無しさんだよもんNGNG
そのわりには進まないだよもん。
0286名無しさんだよもんNGNG
それではだよもん。
0287名無しさんだよもんNGNG
age
0288名無しさんだよもんNGNG
…ログ全部確認したけどこのスレはリレー?
その割に一人で書いてるようにも見える…
0289長岡志保・夢NGNG
闇。
闇の中に、ぽっかりと浮かんでいる。
上もない。下もない。ただ、そこにある。寒いのか、暑いのか、それすらもわからない。
ただ、自分が死んだ、ということだけは、はっきりとわかっている。
死。
死ぬということ。それは、こんなにも虚ろな事だったのか。
ただ、あたしの手の中にあるものだけが、「あたし」を維持しつづける。
藤田浩之。
プラス因子を持つ、創世の力の片割れ。その心と力が、長岡志保をこの世界に繋ぎ止める。
そうでなければ、何の力も持たないあたしが、幽体とはいえ、以前の形を維持できるわけない。

なんで?何でよ、ヒロ?
あたしは綾香じゃない。あんたの求めてる女じゃない。あたしを繋ぎ止めている意味なんて、あんたにはない。

……無い筈なのに。

何で、あんたはそんなに優しいの?
どうして、そんなに暖かくあたしを守ってくれるの?

(彼は知っているからです)
声が聞こえる。
(藤田浩之の力は、もう覚醒するでしょう)
知らない、誰かの声が。
(あなたが、最後の鍵です。世界を守るための)
あたしが?…何の力もない、ヒロ一人守れない、このあたしが鍵?
(あなたは繋ぎ止めました。消えそうになった、「藤田浩之という器」の、心を。あなたは守りました。壊れ、失われそうになった、彼の拠り所を)
闇の中に浮かぶ人影が、あたしと、ヒロの欠片を照らす。穏やかな顔。優しげな、包容力を持った女性。
しかし、あたしはその人を知らなかった。
最強と言われる、邪術士の名を。
その悲しみが生み出した、もう一人の彼女の事を。
0290長岡志保・夢2NGNG
彼女がささやく。
(さあ、目覚めなさい、藤田浩之。秋子の影でしかない私では
あなたをよみがえらせることはできません。あなたが自分の力で目覚めるのです)
ヒロが……目を覚ます。
それに引きずられるようにして、あたしも夢から覚めていく。
(長岡志保さん……本当に彼を愛しているのなら……忘れないで)
彼女の声が、遠ざかっていく。
(愛というものは、人を自分の思い通りにすることではない。
……相手を思いやってこその、愛だということを)
彼女の頬を、涙が伝う。
(私はもう間違ってしまったけれど……貴女なら…きっとできるから)
0291藤田浩之・覚醒NGNG
目が覚めた。
今だかつてないほど、頭が冴え渡っている。土くれの中から、俺は身を起こした。
志保の体を腕に抱く。その目がうっすらと開き、ヒロ…とつぶやく。
もう大丈夫だ、志保。もう、俺はどこにも行かない。
「救世主は、三度土からよみがえる、っていうけどな」
からかうような声が聞こえてきた。振り向いたその先には、見覚えのある顔。
「スフィー……だな?」
「まさか、とは思った。だが、あんたは確かに以前一度、復活している」
声の調子は相変わらずだが、その瞳は少しも笑っていない。
「どうやら、力を完全に支配しているみたいだな。これから、どうするつもりだ」
「……別に。あかり、綾香、セリオ、みんな…もうこれ以上、俺が原因で、失いたくはないだけだ」
そういって、腕の中の志保に、優しげな視線を送る。
「だから、俺はこいつと、俺達でできることをやる。みんなには、黙っていてくれ。
あんた達の手は借りない」
「……まぁ、俺はかまわねぇがな」
スフィーはそういって、じろじろと俺に視線を送る。
「素っ裸で再生したみたいだが、服もいらねぇみたいだな」
「すいません、ください、スフィーさん」
……俺は、思わず土下座してしまった。
0292名無しさんだよもんNGNG
回します
0293名無しさんだよもんNGNG
長くなってすいません
0294名無しさんだよもんNGNG
くるくる回します
0295名無しさんだよもんNGNG
至らない点がありましたら、ご指導ください
0296保科智子@炎の誓い(1/4)NGNG
 これほど力の差があったとは正直、計算外だった。
 水瀬秋子……これが人類の有史以来から最強を謳われる邪術士の力だった。
 私程度の能力者が戦いを挑むのは、無謀だったということか。
 いや、答えは初めからそこ≠ノあったのかも知れない。
「運が悪かったですね」
「…………」
 秋子は頬に手を当てて残念そうに言った。
 嘲笑だろうか。それとも溜息なのだろうか。意図は分からない。
 しかし、確かなことは、命を懸けないで勝ち負けできる相手ではなかった。
「ええで。受けてたったる!」
 覚悟を決めるのは、ひと呼吸のうちで充分だった。
 その刹那の間で、幾人もの友と呼んだ人たちの顔が脳裏を横切っていった。
(師匠、禁術を使わせてもらいます)
 故・長瀬源之助の姿を思い浮かべて今誓いを果たす。
 本当に護りたいものがあるのなら、力というものはそのために存在する。
 <魂の揺らめき>フレイム=ソウル。
 己の魂をその対価に、唯一無二の炎を得られる禁断の秘術。
「私の最後の炎や……これでアンタの防御壁を破れたら私の勝ちで、そうやなかったらアンタの勝ちや、どうやシンプルでええやろ?」
「そう? 両親に教わらなかったかしら? 火遊びはいけませんよ、って」
 絶対の自信。揺るぐことのない眼差し。水瀬秋子……。
 相手にとって不足はない。
「何とでも言うがええ。そやけど最後には――私が勝つ!」
「……あなたも同じなんですね」
 今まで静かだった邪術士の気≠ェ高まっていく。
「……いいでしょう。受けてたちます」
 邪術士が気を解放させて、こちらを見つめた。
0297保科智子@炎の誓い(2/4)NGNG
「ハアァァァァァーーーーーーーーーー!」
 私の持てるものすべてを利き腕に集めていく。体はコロナのように燃え滾っていた。
 炎が爆ぜる。元始の炎。源炎。この世の終わりにすべての邪悪を焼き尽くすというメキド・フレイム。
 今の私なら使いこなせる。すべてを無くしたとしても、この刹那のために――
「長瀬流炎殺拳最終奥義<メギド・ブレイク>!」
 右腕が真っ赤に燃えていた。大気を漂う霊気。大地に宿る龍気。空間に彷徨う魔気。
 そして、己の魂の力……すべてが炎に変換された極限の力を、邪術士・水瀬秋子に向かって放つ。
 だが――私は目を見張った。水瀬秋子が二人いる?
「幻影ですよ。後十秒ほどで消えますけど、戦いに置いては充分すぎる時間でしょう?」
 単純な答えだった。単なる時間稼ぎなのだろう。しかし私には迷っている暇なんてなかった。
 こうしている間にも、ものすごい勢いで私の生命は尽きているのだ。
 見分ける方法はなかった。しかし、水瀬秋子は致命的な過ちを犯している。
 この勝負――貰った!
「喰らえやあああぁぁぁぁああああああーーーーーーー!」
 炎が咆哮した。莫大なエネルギーが荒れ狂う。
 そう。これならふたりまとめて処理するに充分な威力だった。
 私の力を甘く見た――敗因はまさにそれ。
「……終わったんか?」
 薄れていく爆炎の中で私は目を凝らしていた。
 手応えはあった。アレを喰らって無傷ならもう……手段は何もない。
 そして、私の目の前に映ったものは……。
0298保科智子@炎の誓い(3/4)NGNG
「……え?」
 素頓狂な声を上げたのは結果があまりにも自分本位なものだったからだ。
 煙が消えた後には、煤こけた死体がひとつあっただけだった。
 自分の勝利を確信できなくて、それの近くに私は歩み寄っていく。
「……勝ったのか?」
 霧が晴れるように雨月山だった風景は物の怪の丘へと変わっていた。
 そこにある、亡骸だけを残して……。
「……やった。私は勝ったんやあの水瀬秋子に!」
 私は信じられない面持ちで、勝利の味に陶酔していた。
「誰もが挑んで、誰もが敗北していった水瀬秋子に、私は勝てたんや!」
 格闘の世界に闘志を滾らせる者なら、誰もが一度は夢見た最強の称号を私は手に入れたことになる。
 欺瞞だろうか? いや何でもよかった。
「そう何でもええ。これでみんな報われるんや! やったで! 私はみんなの仇をとったんや!」
 歓喜に震えた。そこにあったはずの亡骸が消えていることにも気づかないほど有頂天だった。
 それほどまでに私は浮かれていたのだ。
「保科さん危ない!」
「な――!?」
 その声は河島はるかの声だった。
 どうしてここにいるのかというよりも早く体は反応していた。
 無理に体を跳ねさせる。首筋を突く徒手に逆らうように仰け反って。
「あら? 外れちゃいましたね」
 そこには何食わぬ顔で佇む水瀬秋子の姿があった。
0299保科智子@炎の誓い(4/4)NGNG
「何故って顔をしていますから答えましょう」
 静かに微笑んで秋子は言った。
「誰も幻影はひとつだとは言っていません。それだけのことです」
「なんやて? それやったら、あの手応えは何やったんや?」
 苦笑だろう間違いなく。水瀬秋子は笑っていた。
「強いですね保科さん。力だけなら本当、九尾や翼人とさほど変わらないかも知れませんね。
 あれをまともに喰らっていたら、私も危ないところでした。でもですね、戦いの年季が違うんですよ」
「あの手応えはなんやってんって訊いとんのや!?」
「……サービスですよ」
「……はあ?」
「せっかく勝利の余韻を楽しんでもらっているうちにとどめを刺そうとしていたのに、とんだ邪魔者が現れたものです」
「お前は――どこまで人の心を弄ぶんや!」
「あらあら。サービスのつもりだったんですけど、お気に召しませんでしたか?」
 震えた。さっきとは別の意味で体が震えた。純粋な怒り。それとも自分の傲慢さだったろうか?
 力はともかく戦いの駆け引きに置いて、私は遠く及ばなかったのだ。
 千年の歳月。私の人生は十七年。それでも劣っていたと思ったことは一度たりともなかったのに……。
「もう立っているのも辛いんでしょう保科さん? 分かっているわ。そちらの方と一緒に消えてもらいますね」
 私と、そしてはるかを見つめて、秋子は前に足を進めてきた。
「はるか、逃げて――」
「私は足手まとい?」
 素早く私の言葉を遮って、はるかは言い切っていた。
 途端に、どうしてはるかがここに来ているのか疑問をもつが、それより――
「はるか、あんた……それ」
「私は一人じゃ何も出来ない――だから、保科さんの力を貸して欲しい。ふたり一緒に――」
 水瀬秋子を討とう、とはるかは言ってくれた。
「そうやったな」
 私は一人じゃなかった。たくさんの仲間がいてくれる。
 そやから今まで私は戦ってこれて、今を生きていることが出来たんやったな。
「どうして忘れてたんやろう……」
 支えあうこと。それはきっと邪術士にはない私たちの聖なる力。
 もう一度、立ち上がる勇気だった。
0300名無しさんだよもんNGNG
回すだよもん。
0301名無しさんだよもんNGNG
他の書き手さんたちが書いてるのを見ると、やっぱり張りがあるだよもん。
0302名無しさんだよもんNGNG
秋子VS智子はもう少し引っ張るだよもん。
0303名無しさんだよもんNGNG
このまま書ききっていいのかどうか疑問だからだよもん。
0304名無しさんだよもんNGNG
もう少し様子を見るだよもん。
0305名無しさんだよもんNGNG
>>267
至らぬ点はあるかもだよもんが続けてみただよもん。
0306名無しさんだよもんNGNG
>>295
自分が言うのも何なのだよもんが自分自身が楽しむのが一番だと思うだよもん。
0307名無しさんだよもんNGNG
それでは回し終了だよもん。
0308杜若きよみ −検証(1/6)−NGNG
「――やっぱりな……」
 桃色の髪の少女は目の前の焼け跡を目にしてぼそりとつぶやいた。
 その顔つきからして、どうやら何かしらの確信を得たようだといった感じだった。

 6月1日――高野山金剛峰寺にて――
 襲撃事件から5ヶ月近くが経過したこともあり、主な寺院の施設等は大方再建されて
いた。ただ、完全に復興したというわけではなく、一部は襲撃がなされたままの状態の
所もあり、当時の傷痕がなまなましく残っていた。
 そして――何より、大僧正の深山雪見を筆頭として主な法術僧らが不在のままである
というのが、この寺院が普段の状態ではないというなによりの証だった。

 今、私と桃色の髪の少女――なつきは、高野の中でも特に被害のひどかった部分に立
っていた。そこは、かつては台所にあたる部分だったとの事だったが、それを示す跡す
ら残っていなかった。辛うじて、地下へ通じる階段があったのが、残っていたぐらいだ。
 なつきは崩れかかった、その階段を慎重に下りていく。
 私もそれに付いていくと、目の前には大きな金属製の扉につきあたった。
 それは銀行の金庫などに使われている扉と似ていた。見かけと同様に頑丈にできてい
たらしく、強烈な爆発にもかかわらず、歪みすら見られない。
 その扉の横には数種類の装置がついていたが、それが何なのかは今一つ見当がつかない。

「……7231221243448532……」
 なつきは最初、腕時計をちらりと見た後に、適当な数字をつぶやきながら、装置にあ
る数字の記された釦を押したりしていた。すると、がちゃりという音がした。
0309杜若きよみ −検証(2/6)− NGNG
 どうやら鍵が開いたらしい。
 なつきはノブに手を掛けると、ゆっくりと扉を引っ張り出した。
 ギギギ……と重苦しい金属音を立てながら、その扉はゆっくりと開く。

 扉の先には、さらに地中深くへと突き進む階段が伸びているのが見えた。
 ただ、照明が無いので、奥深くまではまったく見えない。階段は石造りで、どの段に
もうっすらと埃が積もっていた。長い間、誰も立ち入ってないことがうかがえる。

 ――いったい、何なの? この施設は?

 私がそう思っていると、なつきはすぐに扉を閉めてしまった。

 え……? 奥へ進むのじゃないの?

 戸惑う私を尻目になつきはその場を立ち去ろうとした。彼女は一体何を考えているの?

「中には入らないの?」
「入る必要はないよ。ただ『誰かが中に入った痕跡があった』か否かを確かめられたら
それで十分だから」
 なつきはそう言いながら、崩れた階段を這い上がって地上に出た。私も今ひとつわけ
のわからぬまま、その後に続く。
 目の前には青空が広がっていた。その下には、立て直されて間もない寺院があり、
そこを訪れる参拝者でごったがえしている。表向きは復興したように見せかけているのだ。

「しかし……」
「しかし?」
「……やっぱ太平洋戦争の時点のまま頭が立ち腐っとるみたいやのう……」
 なつきはさながら独り言を言うかのように、呟きだした。
0310杜若きよみ −検証(3/6)− NGNG
 結局、その後なつきと私はそのまま高野山を後にした。
 高野山から橋本へ向かう普通列車の中でなつきから聞いたことをまとめておく。

 どうもあの地下室、元は旧陸軍が戦時中に大本営として築いたとの事だった。
 それをなつきがあんな核シェルター並みの格納庫に改造してしまったのである。
 入口に有った数字錠も10分が経過する毎に、開錠番号が変化するといった代物だという。
(なんでも、番号の進数を変化させてしまうとの事で、ちなみになつきが先程開けた時は
丁度10進数だったという。だから開錠にかかる前に時刻を確認していたのだ)

 しかし、そんな頑丈な格納庫に収納していた物についてはなつきは語ろうとしなかった。
 彼女曰く、「少なくとも重要な書物や秘蔵の武器はあそこには収納していなかった」と
の事。ただ、開錠番号と、『格納庫を作った当時は高野は食糧難に陥っていたが、造った
おかげで解消された』という事情から、中に収納されていたのは何かというのは、私にも
すぐに分かる事が出来るという。

 あと、なつきは一冊の古ぼけた手記を見せてくれた。それは旧陸軍の兵器開発部門に所
属していた将校のもので、パラパラと頁を繰ると、当時の状況が克明に記されていた。
 なんでも、この部門は秘密裏に様々な兵器を研究していた。
 そう……特殊部隊の『誰彼』に所属する強化兵の開発にこの部門も関わっていたのだ。
 その文字を見るなり、私はなんとなく妙な気分に陥った。
 とにかく頁をめくった。

 すると、途中で気になる記述を見つけた。
0311杜若きよみ −検証(4/6)− NGNG
『九月廿八日
 漸ク、………ヲ入手シタリ。
 此ヲ使ヘバ、戦局ハ逆転スルモノト思ハレ。大日本帝國ノ勝利ハ確実ナリ。
 只、上官ノ命令ニ依リ、北海道ハ怪ノ丘ノ大本営ニ移動セリ。
 和歌山港ヨリ伊都ノ大本営ニ一旦運ビシ後、ソコカラ軍用車伍拾台、人員凡ソ八百名
 ニテ奈良マデ移動サセタ後、軍用列車ニテ輸送セリ』

 何を運んだのかは、字が霞んでいて分からなかった。だが、何かとてつもない兵器を
運んでいたという事はこの文面から読み取る事が出来る。
 そして……それが何であるのかという事も。

 列車はいつのまにか終点の橋本駅に到着していた。ここで、難波方面行きの急行列車
に乗るものだと思いきや、なつきは奈良方面行きの普通列車に乗り込んでいた。
「一体、どこに行くつもりなの?」
「今からちょっと吉野までね」
「吉野ですって? 一体、何の関係があってそんなところまで……」
 私は彼女の意図がさっぱりわからなかった。
 例の格納庫ではちょっと見ただけですぐに立ち去ってしまったし、今度も一体何の目的
で行くのか、不可解もいいところだった。

 とにかく、疑問に思いつつも彼女に付いていくことにした。
0312杜若きよみ −検証(5/6)− NGNG
 途中でもう一度列車を乗り換えた後、しばらくして吉野に到着した。
 かつては南北に朝廷が分かれた時に、南の朝廷が置かれたこともあるこの地は、
今この時も観光地としてにぎわっている。

「ほら、さっき電話で話してくれたじゃない。その事に関してちょい資料を漁りにね」
 なつきはこの場で漸く疑問に答えたけど、その当てがこの地にあるとでもいうの?

 私が横にいるかつて高野の高位僧だった女に話した事実――

 ――犬飼が高野を襲撃しようと画策していたこと。
 ――そして、犬飼が御堂にそのことを実行させたこと。

 でも、それは先程高野で検証を――それもロクにやらなかった筈。
 むしろ、吉野くんだりにその手がかりなんかあるわけないじゃない……。
 やっぱり、彼女の行動はまったく不可解だった。

 だが、それが何を示していたのか、その答えが示されるときはすぐにやってきた。
 なつきはふとこちらに顔を向けた。
 そこにあるのは幼げな少女特有の無邪気そうな微笑。
 ――しかし、その目は笑っていなかった。

「そうそう、言っておくけど、高野には仙命樹みたいな気の利いたものはないよ」

 やっぱり、彼女にはお見通しだったのだ。
 裏社会で名の通った法術士であり、昔の知人である彼女が日本に来るという情報を聞
きつけて、わざわざ拘置所から脱走してまで彼女に会おうとした真の理由――。
0313杜若きよみ −検証(6/6)− NGNG
「――いつの時点で気づいたのかしら?」
「う〜ん……実を言うとね、きよみさんが電話を掛けてきたときかな。
 だって、拘留中のはずのきよみさんがわざわざなつきに電話を掛けてくるなんておかしいって思ってたもん。拘留された理由から考えて、これだと思ってたんだけどね」
「それを知ってて……貴女は一体何を考えてるの?」
「いろいろ聞きたい事があったもの。
 それより、ちょっとそこでちょっと休まない?」
 目の前にはお土産屋や茶店が軒を連ねていた。なつきはその中の一軒の茶店を指差す。
 私自身も少々歩き疲れていたという事もあって、それに同意した。

「……とにかく、犬飼が例の話を持ち出してきたんだね」
 なつきは注文したお汁粉がやってくるや否や、手を付け出した。
「ええ」
 私はそれに頷いた。
 本当のことだった。
 そして、私は犬飼の持ち出してきた話に乗ったのだ。

 ただ、犬飼や御堂らに全面協力をしたわけではなかった。
 仙命樹を手に入れたかったのは完全体になりたかったからではなかった。

 ――使われる前にこの世から仙命樹を消し去りたかったからなのだ――
 ――強化兵らを狂わせる元になった元凶になった――
 そして、蝉丸さんまでも彼の地に駆り出させた原因になったあの物体を――

 犬飼の企みが露見された時、警察は即座に動き出した。
 一緒にいた私もともに逮捕された。
 ただ、気がかりだったのだ――警察から逃れつづけている御堂の存在が。
 どうにかして、あの人物をとめる必要があった。
 だから私は拘置所を脱走してまで、あの人物より先に仙命樹を手に入れようと思った。
 その第一歩として、かつて裏社会の場で知り合ったなつきにこの話を持ちかけて協力
してもらうつもりだったのだが――。
0314名無しさんだよもんNGNG
回し開始。
0315名無しさんだよもんNGNG
回す。
0316名無しさんだよもんNGNG
回し中。
0317名無しさんだよもんNGNG
しかし、何ですな。
0318名無しさんだよもんNGNG
娑婆はもう夏休みですな。
0319名無しさんだよもんNGNG
やれやれですな。
0320名無しさんだよもんNGNG
>>295
いえいえ、こちらこそお願いしますんですな。
0321名無しさんだよもんNGNG
>>308-313
この分の回し完了なんですな。
0322スフィー・兆しNGNG
光明が見えてきた。
微かではあるが、それは確かに、俺たちにとっての『希望』だった。

復活した藤田は、いまだ目を覚まさない志保を連れて、ここを出ていった。
志保については、浩之が復活する際の「母体」として機能したために、一時的に衰弱している、ということだった。
奴はああいっていたが、藤田浩之の存在は、確実に、こちらの切り札になってくれるだろう。
何より、義理堅いあいつが、今までかくまっていた俺たちに、恩義を感じていないはずはないのだから。

だがとにかく今は、智子とはるかの方を、何とかしなければならない。
冷静に見えるくせに、直情なところもある智子では、奴の狡猾さに太刀打ちできないだろう。
俺が行ければ、少しは何とかなるのだろうが、それは狐に背を見せることに他ならない。
今のところ、はるかが藤田から受け取ったという、『ちから』だけが頼りだった。

俺は今、懸命に大地に魔法陣を描いている。ただの魔方陣ではない。
俺の血と、命と、藤田から服の礼の代わりにせしめた『ちから』でもって行われる、俺の生涯最大になろうかという、大魔術の準備である。
「うまくいってくれよな………」
祈るべき神もいない。すがるべき拠り所もない。
それでも俺は、何かに祈らずにはいられなかった。
0323長岡志保NGNG
これは夢だ、と思った。
そうでなければ、説明がつかない。
「ったく、相変わらず寝起き悪い奴だな、お前は」
これは、いつもの夢だ。ヒロが綾香の代わりでないあたしに、微笑みかけてくれる。
目が覚めたとたん、言い知れない絶望と虚無を味わうことになる、いつもの夢だ。
「何だよ、鳩が豆鉄砲食らったような顔して。そりゃ、お前の顔は確かに人並み
より少しは上だが、少ししか上じゃねーんだから、間抜け面は、この上もなく
間抜け面でしかないぞ」
夢……夢のはずなのに……
「ヒ……ヒロ?」
言ってから、しまったと思った。ヒロは、あたしを綾香だと思っている。綾香は、
ヒロだなんていわない。綾香は………
「ヒロユ…」
「やっと目が覚めたか、志保。寝すぎで脳みそ腐ったのかと思ったぞ」
え?
今……なんて言った……?
0324長岡志保NGNG
「ったく、お前を担いでここまで来るのに、どんだけ苦労したと思ってんだ。
だいたい志保、お前はぐーすか気楽に寝てりゃあいいけど、俺は……」
そこまでだった。あたしの前で、ヒロの顔がぐにゃりと歪む。
違う。歪んでるのはヒロの顔じゃなくて、あたしの目の方だ。
涙腺が壊れたみたいに、次から次へと雫が零れ落ちる。
ヒロだった。ヒロが戻ってきたんだ。あたしの知ってる、あのヒロが。
「な…なんだよお前、泣いてんのかよ……」
「泣いてなんか…ないわよぉ」
「じゃあ…これは何だ?」
ヒロが、あたしの顔を上に向ける。その指で、そっとあたしの目をぬぐった。
「いろいろ辛い思いさせて悪かったな、志保。けど、もう大丈夫だ。
俺は、もうどこにも行かない。これからずっと、お前と一緒にいるよ」
もう…限界だった。
あたしは、声をあげて泣いた。ヒロに胸にすがり、幾度となくその名を呼びながら
泣きつづけた。今まで我慢しつづけた涙が、ここぞとばかりに溢れていく。
ヒロ、ヒロ、ヒロ、ヒロ………
子供みたいだった。それでもヒロは、じっと優しく、あたしを抱きとめてくれた。

叶わない夢のはずだった。ヒロの隣にいたのは、いつもあかりだったり、綾香
だったりした。あたしはただ、ヒロの周りで、うるさく騒ぐだけの存在だった。
ヒロの視線がこっちを向くなんてこと、ありえるはずがなかった。
そしてそれは、心が壊れたヒロを看病していて、嫌と言うほどわかった筈だった。
でも………いま、ヒロはあたしだけの存在だった。あたしだけを見てくれていた。
嬉しかった。悲しかった。何より、今まで死んでいった皆の想いを知るだけに、
余計に涙が止まらなかった。
ごめん、あかり。ごめん、綾香。ごめん……ヒロを好きだった皆。
でも、今だけ。今この瞬間だけ、ヒロを占領させて……
伝わるヒロのぬくもり。それを感じながら、あたしは再び、眠りに落ちていった。
0325名無しさんだよもんNGNG
回しま〜す
0326名無しさんだよもんNGNG
回ってま〜す
0327名無しさんだよもんNGNG
回し損ね
0328名無しさんだよもんNGNG
回し者
0329名無しさんだよもんNGNG
そろそろageた方がいいですか?
0330霧島聖@誰彼部隊・前編(1/3)NGNG
 永遠に生きる樹があるという……。
 彼らの過ちは、そんな幻想を信じたことから始まった。

「残念ね、今は手加減できないわ」
 誰もが瞬きも出来ない刹那のうちに彼女、石原麗子は鋭利な刃物を懐から取り出して四方八方に投げつけた。
 途端に轟音が鼓膜をつんざく。連鎖する破壊は二十体ほどの量産型マルチを鉄くずに変えた。
「なんだと!?」
 さすがにこれは想像の域を出ていたのか御堂が絶叫を上げる。
 岩切も声こそ上げなかったが、驚きを隠せないで顔は微妙に歪んでいた。
「さすがとしか言いようがないな」
 石原麗子を敵に回すことは、私でもしたくはないのに、まったく愚かな連中だ。
「この程度でお手上げなんて言わないでよ。せっかくこの私直々に足を運んであげたんだから」
「……私と以前に会った時から、その意地の悪い性格は変わっていないようだな?」
「あら、言ってくれるわね。これでも聖と南がいなくなって苦労したのよ」
「訂正する。以前よりも悪くなったみたいだな。明らかに嘘と分かる嘘は嫌味にしかならんぞ」
「そうかもね」とウインクされる。
「――お喋りはそこまでだ、来るぞ!」
 私たちの会話を遮って蝉丸君が剣を握りしめていた。
「分かっているわ。高子、結界くらい一人で張れるわね?」
「はい、もちろんです」
「任せるわ。それと聖は佐藤君の面倒を見てあげてて」
「ほう。たった二人であの大群と勝負するのかね?」
 いくらなんでも無謀だと思って私は声を掛けた。
 しかし、彼女は肩を竦めて言う。
「ええ、そうよ。ハンデには丁度いいんじゃない?」
 言葉はもう要らなかった。
0331霧島聖@誰彼部隊・前編(2/3)NGNG
 先に動いたのは御堂の方だった。
 愛用の南部十四式カスタムが蝉丸君の眉間にレーザー照準される。
(……一体どういう武器だ――それは! どうして南部十四式からレーザーなのだ!)
 改造したであろう犬飼の趣味に私は付いていけなかった。
「俺の銃の腕は知ってるだろ!」
 レーザー照準使ってながらそんなこと言うのか?
「ああ、怖いくらいにな……」
 神妙に言う蝉丸君。まあ眉間にポイントされていたのでは分からないでもない。
「けっけっけっ。俺の愛銃もパワーアップしてよ、精度抜群だぜ」
 いや……パワーアップっていう単語を口に出すところが、そこはかとなく昭和の前時代を彷彿させる。
「なっ! そうなのか!?」
 本気で驚いてるように見える。
 乗りで言うと『これが地球破壊爆弾だ!』『なんだと!?』くらい純粋に反応がいい。
「その通りさ。光栄に思えよ、これを使うのはお前が最初だって決めてたからな」
 北川君はこんな奴らにやられたのか……さぞかし無念だろう。
「ところで今気づいたんだが、その銃から出ている赤い線はなんだ?」
 今まで気づいてなかったんのか!?
「けっ。気になるかい? これはな俺が予測するに電子レンジ砲だ!」
 ……どこから突っ込んだらいいのか良く分からんが、とりあえず自分で武器を予測するな!
 電子レンジ砲って言うのも寒いぞ! 本気なところがさらにだ!
「なんだと!?」
 お前もいちいち驚くな!
「こいつを喰らって逝けや蝉丸!」
 勝手にやってろ。真面目に聞いてると私の身が持たん。
0332霧島聖@誰彼部隊・前編(3/3)NGNG
「……は?」
 私は瞬きをしながら今見た現実を受け止めようとした。
 赤い光線が目の前を高速で通り過ぎていったかと思ったら、とんでもない爆発音が辺りに轟いた。
(まさか本物だったのか? 蝉丸君が危ない!))
 私は精神崩壊を起こしそうになった光景を今一度この眼で見やった。
「あつうううぅぅぅぅぅうううういじゃねーか!」
「…………は?」
 どうしてだろう? 私はまたしても目を丸くせざるを得なかった。
 御堂の銃が真っ赤に燃えている。多分あまりの熱量に銃が耐え切れなかったのだろう。
 いやいや暴発しなかっただけ見事というべきか?
「ふっ。御堂、勝負あったぞ!」
 ……おい、蝉丸君。武器の無くなった相手にその態度の豹変はなんなのだ。
 御堂も御堂で火傷した手を口でふーふー吹いてる……。
 こいつら、本当にあの軍部でも恐れられていた『誰彼』部隊なのだろうか?
 ……私には言い切る自信はないぞ。
「御堂何をやっている!」
 堪らずに岩切が御堂に詰め寄っていった。
 敵ながら気持ちは分かる。
「最終兵器を先に出すとは何事だ!」
 問題はそっちなのか!?
「すまねえ……」
 しかも謝ってる?
「仲間割れは醜いぞ!」
 蝉丸君! 君が言うな!
 私はあまりの戦いの凄まじさに頭を抱えてしまった。
「高子君、君は平気そうだな?」
「わたし……慣れてますから……」
 もじもじと恥ずかしそうに手の先をいじりながら高子君は言った。
「苦労してたんだな……」
「はい……」
 顔を真っ赤にして高子君は俯いてしまった。
0333名無しさんだよもんNGNG
回すだよもん。
0334名無しさんだよもんNGNG
まだまだ回すだよもん。
0335名無しさんだよもんNGNG
とりあえず前回のやつを修正するだよもん。
0336名無しさんだよもんNGNG
>>298
×その声は河島はるかの声だった。
○それは河島はるかの声だった。
0337名無しさんだよもんNGNG
他の誤字脱字については許して欲しいだよもん。
0338名無しさんだよもんNGNG
もっと推敲するだよもん。
0339名無しさんだよもんNGNG
今回の話についてはノーコメントだよもん。
0340名無しさんだよもんNGNG
気づいたらこうなってただよもん。
0341名無しさんだよもんNGNG
そろそろ自分もageときたいもん。
0342名無しさんだよもんNGNG
回し終了age!
0343川名みさき@雪に還る少女(1/10)NGNG
「川名さん、実は永遠というのは……」
「うん?」
 口を噤んいたで繭ちゃんが言い難そうに唇を動かそうとした時、耳をつんざく悲鳴が聞こえてきた。
 聞き間違えるはずもない。それは留美ちゃんの声だった。
 誤算だった。ほんの少し離れたうちに彼女達に災いが降り立つなんて……。
「繭ちゃん今の!」
「ええ。すぐに戻りましょう」
 言うや否や繭ちゃんは走り出していた。わたしもそれに続く。
 留美ちゃん達とそれほど離れた場所にいたわけではなかったので、すぐ現場にたどり着く。
 ――冷たい。
 それがわたしの最初に感じた印象だった。寒いではなくてそれは冷たかった。
 この感覚をわたしは知っていた。いや前以上の凍気≠もって彼女はわたし達の前にいた。
 水瀬名雪。雪の少女は薄笑いを浮かべながら、あゆちゃんの胸に氷柱を刺しこんでいた。
「な――!?」
 狂気の笑みだった。見る者を震えさすほどそれは冷たい。
 わたしの背中にも同じく冷たいものが疾っていた。
「みお……」
「うそ、澪ちゃんも……うそだよ」
 繭ちゃんの呟きにわたしもそちらを見やる――と絶望がそこにあった。
 氷の棺だろうか、そんなものに澪ちゃんは閉じ込められていた。
 顔色……そう顔色何ていうのも可笑しいけど、真っ青になって体温の欠片もない。
 虚ろだった。まさしくそれは、死に行くものの……。
「ごめんなさい……わたしのせいで澪は……」
 力なく呟く留美ちゃん。その瞳には涙が溢れていた。
「あはは、脆いね……ほら、こんなにも簡単に人は死ぬんだよ」
「名雪さん! あなたは――」
 氷の微笑を浮かべて雪の少女はすべてのものを嘲笑う。
 許せない――わたしが仕掛けようとした時、ゆらりと赴く影があった。
「……繭ちゃん?」
 それは本当に繭ちゃんだったのだろうか? すごく怖かった。
「水瀬名雪さん……私を怒らせましたね?」
 ただ冷静に言い放つ彼女は、雪の少女以上に冷たい笑みを浮かべていた。
0344水瀬名雪@雪に還る少女(2/10)NGNG
「だったら、どうだっていうの?」
 わたしは純粋な好奇心から椎名繭とかいう女の子に言っていた。
 見たところ何の力も持たない普通の女の子。それなのにわたしに敵対している。
 これは力≠るものへの冒涜に等しい行為だった。
「あなたが何かしてくれるのかな? 繭ちゃん」
「う、うぐぅ……!」
 足元にいるあゆちゃんを踏みつけてるのは威圧行為でも何でもなかった。
 ただ、そうしたかったからそうしただけ……意味なんてない。
「ああ、あゆちゃんそこにいたんだ? 痛かった? ごめんね、もっと優しくするよ」
 ぐりぐり、あゆちゃんの胸に刺さったままの氷柱をいじる。
 そうすると、あゆちゃんはとても言い声で鳴いてくれた。
 ――強者が弱者をいたぶるのは、感じてしまうほど気持ちがいい。
「はあ、いい加減弱いものいじめは止めてください。それとも、わたしと闘うのは怖いんですか?」
 水をさすように繭ちゃんが言ってくるが、別に怒りなんて湧かなかった。
「……言うね、安い挑発だけど乗ってあげるよ。繭ちゃんはもっといい声出してくれるよね?」
「泣くのはあなたの方ですよ、水瀬さん。親の七光りの力なんて見っとも無いんですよ」
 もうわたしは言い返さなかった。軽口を叩くあの子がどんな鳴き声を上げるか考えただけでいきそうになる。
(川名さん、私が時間を稼いでいる間に澪と月宮さんのことをお願いします)
(――あ、うん、分かったよ。でも繭ちゃん本当に大丈夫なの?)
 それで内緒話してるつもり? 全部筒抜けだよ。
(ええ。私で充分ですよ。川名さんが立つまでもありません)
 だけど、その言葉は感心しないよ。まるで目暗の彼女でも勝てるみたいな言い方だね。
 わたしはすっごく強いのに、全然そのことを理解してないんだ。許せないよ。
「繭ちゃん、そろそろわたしの方から行かせてもらうね」
「……いつでも結構です」
 そう、わたしは強い。とても強いんだから誰にも負けない。
 氷の結晶がわたしを取り囲むように渦を巻く。
「飛べ!」
 わたしの呼び声に応えて、雪の飛礫は椎名繭目掛けて飛んでいく。
 もちろん小手調べの技だったけど、彼女はわたしの思いも寄らない行動に移ってくれた。
「――え?」
 わたしに背を向けて繭ちゃんは一目散に逃げ出していた。
0345椎名繭@雪に還る少女(3/10)NGNG
「あはは、あれだけでかい口を叩いてすることは逃げることなの?」
 彼女が追いかけてくるのを確認しながら、私は森の中を駆けていった。
 まあ、逃げたら追いかけたくなるのは人情なので、大方の予測はついていたけど、彼女だって馬鹿ではない。
「分かっているよ。みんなを巻き込まないために場所を変えてるんだよね?」
 したり顔で言うのを訊いて、私はうんざりしていた。
 訂正する。彼女はどうやら馬鹿のようだ。誘いに乗ってくれたのは嬉しいけどそれだけではない。
「でも、追いかけっこってあまり好きじゃないんだ。足を狙わせてもらうよ」
 冷気が周囲を支配する。丘の温度が急激に冷えていく。
「飛べ!」
 雪の飛礫が先ほどと同じように飛んでくる。
 私は溜息もつけないことに溜息をつきたかったが、とりあえず眉間にしわを寄せるだけに我慢して、
 体操の選手がそうするように、胸で円を描くように飛び上がっていた。
「あれ? どうして外れるの?」
 なんとも呑気な声で水瀬さんが言う。足を狙うとか言ってて躱せない方がどうかしてる。
 それか私の意外な(自分で言うのもなんだけど)運動神経に驚いているのかも知れないけどね。
「――とっ」
 私は手短にあった木の枝に飛びつく。回転はサービス。余裕があるよって合図だった。
 そのまま木と木の間を飛んで渡っていく。もちろん走った方が効率がいいんだど細工しておくにはこれでいい。
「待ちなさいよー!」
「……嫌です」
 誰かさんの口癖を真似てみて彼女はさらに頭に血を上らせたようだ。
 冷静に見える人ほど、自分の思うように行かないと脆い。
 彼女がそうだってことに確信はなかったけど、これで確認は取れた。
 もう少し様子を見て、それが芝居でないことが分かったら、この闘いは私の勝ちだろう。
 彼女が本当に冷静な人なら、別の案を考慮していたけど、まあ、これで充分なようだった。
「澪にしてくれた借りは倍返しでさせてもらいます」
 私は薄く笑っていた。
0346水瀬名雪@雪に還る少女(4/10)NGNG
 わたしは強い。彼女は弱い。
 それはとても簡単なことで偽りの無い力の差だった。
 負けるわけが無い。彼女にはわたしを傷つける術など何ひとつ持ち合わせていない。
 逃げ回ってるだけでは勝てない。だからわたしは負けない。
 単純かつ簡単なことだった。わたしは強いのだから。
 もう彼女の遊びなんかに付き合ってはいられなかった。
 大気の気流に乗る。そう。わたしは今では空を翔けることすら容易い。
 ぐんぐんとスピードを増して彼女に追いつく。
「もう逃がさないよ!」
 わたしは大気の温度を下げて空気中から水分を取り出してそれを凍りつかせる。
 先のよく尖った氷柱が何十という数で出来上がっていく。
「刺さっちゃえ!」
 わたしの呼び声に応えて一斉に氷柱は繭ちゃん目掛けて飛んでいった。
 彼女はわたしの予想通り∫]してくれたが、その氷柱は壁のように大きく立ちはだかる。
 もう逃げ場所は無い。鬼ごっこは終わったということだ。
「さて、繭ちゃんどうするの? どうやってこの窮地から脱出してくれるのか見ものだよ」
「…………」
 彼女はなにも言わなかった。
 当然だ。打つ手なんてどこにもないんだから。
「どうしたの? 何もしないんだったら、わたしが凍らせちゃうよ」
 それでも何も言ってこなかったので、わたしは異様に腹立たしく思ってしまった。
 何も言わない。何もしない。わたしは彼女の泣き言を聞きたいのだ。
 なぜ? それなのにどうして、彼女の目は奥の深い眼差しでわたしを射抜いているんだろう。
「……それ、むかつく」
 わたしは彼女に向かって雪玉を投げつけた。もちろん石を入れたものなんかより威力は格段だった。
 避けることもなく……いや、避けようがなくて、彼女の額にそれはぶつかった。
 その額から血がスーッと流れ落ちた……。
0347椎名繭@雪に還る少女(5/10)NGNG
 視界の中に赤いものが混じっていた。
 手のひらで拭ってみると、生暖かい感触のそれはべっとりとしている。
 血。赤い血。私から流れ出た赤い液体……。
「澪や月宮さんは、この何倍も痛かったんでしょうね……」
 私も痛くないわけではなかったが、不思議なことに痛みはすぐに引いていった。
 わざと受け入れたそれにも、私の心にはまったく響かなかった。
「ほら、繭ちゃんは追い詰められたんだよ。何とか言ってみなよっ!」
「……随分な言われようですね。そんなに私のことが怖いですか?」
 私の言葉に彼女の顔は見る見るうちに真っ赤になった。
「図星ですか?」
「……繭ちゃんは弱いんだよ。わたしにそんな口を聞いてもいいの……?」
 表面上あくまで冷静を装う彼女は、もはや哀れというより他はない。
「確かに私は弱いです。だけど、貴女のように愚かではありません」
「言葉は……もう言葉なんて要らないよ! そんなの何にもならないじゃない! もっと他のもので示してよ!」
「……貴女は不幸です。自分が災いの中にいることを気づかないなんて」
「だ、黙ってよっ!」
 雪の結晶がこの空間に乱れ飛んでいる。私を狙っているのだろうが当たりはしない。
 もはや私に当たる気も無かった。
「終わらせましょう。貴女の心の楔を私が断ち切って上げます」
 懐の中に忍ばしていた44マグナムを彼女に向ける。
 彼女にとっては余計なお世話だろうけど、本当の名雪さんは終焉を求めているのだから。
「……あはは、ははっはははははははっ……あははっはははっはははっははっーーーーー!」
 彼女は狂ったように笑い出していた。そのこと自体に疑問は無かった。
「そんなもので、わたしを殺そうとしてたの? 馬鹿げてるよ、可笑しすぎるよーっ!」
「……そうですか? この引き金を引いたら分かりますよ」
 この大きなグリップは馴染まなくて、私はあまりこの銃が好きではなかった。
 しかし今は感謝しよう。本当は反動の大きさを考えて片手打ちは止めておいた方がいいのだけど、
 私は躊躇わないでマグナムのトリガーを引いた。
「――――?」
 彼女の体は大量の炎に包まれた。
0348水瀬名雪@雪に還る少女(6/10)NGNG
 簡単だと思っていた。
 繭ちゃんを倒すことはとても簡単なことだと思っていた。
「……うそ?」
 それなのに溶けていくのはわたしの方だった。
 本当に訳が分からなかった。銃弾は躱せたのにその後の炎がわたしを焼いていた。
「……どうして? どうして、こんな……」
「簡単なことですよ」
 嫌味だろうかそれは……。事も無げに彼女は言ってくる。
「ただ私は逃げていただけではありません。木々に結界を張って逃げていたんですよ」
「……そんなの気づいてたよ。でも、どうして……なの? こんな強力な術の効果の結界なんて……」
「そうですね。こんな大規模の火炎術を貴女なら見落とすわけが無い――ですか貴女は勘違いをしています」
 彼女に表情らしい表情はなかった。ただ告げる。
「私に方術は使えません。初歩的なものでもそうでしょう。しかし少しばかりの知識はあります。
 いえ、知識というのもおこがましいでしょう。酸素は火を燃やす為の栄養剤ですよ。そんなの小学生でも知ってます。
 気づきませんでしたか? この大気中の酸素濃度は通常より980パーセント増しなんです。
 ほんのちょっとした……そうですね、ハンマーが落ちるくらいの衝撃で引火するのには充分なんですよ」
「だったら……だったら、なんで……繭ちゃんは燃えないの?」
 こんな大規模火災だというのに、木々は一本足りとも燃えていなかった。
 そこにある物質はまるで、わたしだけというように……。
「貴女は中途半端に強かったんですよ。酸素中毒症になるくらいの弱さは欲しかったですね」
「あ……」
 どうして? どうしてこうなっちゃたんだろう? 祐一は?
 そうだ。祐一が側に居てくれたらそれでよかったのに、わたしは何をやっていたんだろう。
 ……どこで道を間違えたんだろう?
「もうすぐ火は尽きますね。その前に終わらせましょうか?」
 彼女は銃口を私の額に狙い定めていた。
 終わる? そう終わってしまうのだ。もうここで尽きてしまう。
「貴女の敗因はただひとつですよ。伏龍≠ニいう私の二つ名を知らなかった……それだけのことです」
 もう何も聞こえない。銃声すら耳に入らない。痛みすらない。
 目を閉じてみた。待っていたのは暗闇。いや本当はそこに何も待っていなかった。
 ――静寂が訪れる。
0349七瀬留美@雪に還る少女(7/10)NGNG
「――繭!」
 あたしは繭の姿を見つけると抱き締めずにはいられなかった。
「……痛いですよ、七瀬さん」
「馬鹿! 馬鹿! ひとりで勝手なことしてさ!」
「……七瀬さんに馬鹿って言われると、本当に馬鹿になった気がします」
「もう、本当に馬鹿よ……こういう時くらい素直になりなさい」
「……はい。そうさせて貰います、七瀬さん……」
 よっぽど疲れていたんだろう繭は、あたしに体を預けてくれる。
 強張っていた顔が、こんなにも優しくなっている。
 笑顔のこの子は、本当に可愛いんだから。
「……終わったんだね、繭ちゃん」
「ええ。それより、澪と月宮さんの具合はどうですか?」
「澪ちゃんの方は大丈夫なんだけど、あゆちゃんのほうが……」
 みさきさんが難しい顔で言う。それだけで悟ったのか繭はそれ以上何も言わなかった。
 澪の方はみさきさんの方術で回復に向かっていたけど、あゆの方は傷を何とか塞いだだけだった。
 いつ死んでも可笑しくない怪我らしい。後はあゆの生命力に懸けるしかないようだ。
「……七瀬さん、川名さん、お願いがあります」
「うん?」
 あたしとみさきさんは同時に首をかしげる。こんな繭を見るのは初めてだったから。
 頼み事なんてしない性格なのに……。
「ふたりの看病をお願いします」
「え? それは構わないけど繭はどうするつもり?」
「私は……私は九尾と翼人との戦いを見届けに行きます!」
 それは予想外の答えで、あたしは言うべき言葉をすぐに見つけられなかった。
「そんなの……」
「そんなの認めるわけには行かないよ、繭ちゃん」
 情けないあたしの代わりに、みさきさんが強い口調でそれを否定した。
0350七瀬留美@雪に還る少女(8/10)NGNG
「もうすぐ九尾と翼人との戦いが始まります。この機を逃すことはできません」
「そうかもしれないけど、そこがどんな危険な場所か分かっている? ひとりでなんて行かせられないよ」
「しかし――」
「――絶対に駄目だからね」
 ふたりとも取り付く島も無いまま睨み合っていた。
「どうしてです? 元々危険は承知の上でこの丘まで来たんですよ?」
「……状況の問題だよ。わたしには繭ちゃんが焦っているように見えるんだ」
「そんなことありません。すべて計算付くです」
「わたしの眼を騙すことはできないよ、繭ちゃん」
「心を読んだんですか?」
「そんな無粋な真似はしないよ。大人の目から見たら子供の考えはすぐに分かるんだよ」
「私は子供じゃありません。川名さんは大喰らいなだけです」
 ぷいっと横を向く繭。みさきさんちょっと顔が引きつってる。
「繭ちゃん、自分で子供じゃないっていう人は、子供っていう証拠なんだよ?」
「自分で大人という人は少なくても大人じゃありませんよね?」
「面白いこと言うね、繭ちゃん」
「そんなこと……川名さんほどじゃないですよ」
 ……あ、火花が散ってるような気がするのはあたしの気のせい?
 ちょっとこわひ……。
「七瀬さん!」
「留美ちゃん!」
「は、はい――!」
 二人に呼びかけられて思わず後ずさりしてしまう。
「七瀬さん(留美ちゃん)はどっちの味方なんですか?」
 ああ、そう来るのかやっぱし!
 繭の言い分も分かるけど、みさきさんの気持ちだって分かる……というよりも、みさきさんにあたしは賛成だ。
「あの、繭ちゃん?」
「――なんですか?」
 ひぃ。怖い。とてつもなく怖い……。
「留美ちゃんは、わたしの意見に賛成だって言ってるんだよ」
 おわーっ! 笑顔でさらっと怖いことを!
「……そうなんですか?」
 繭にジト目で見られた! 素敵なほど似合ってるよそれ!
「どっちなんですか!?」
 ……結論、ふたりとも怖い。
0351七瀬留美@雪に還る少女(9/10)NGNG
「看病だったらわたしにさせてくれないかな?」
「――え?」
 意外な声が響いたので、あたしはちょっと驚いてしまった。
「あはは、なんか名雪っちの声がしたような気がするけど、このあたしも耄碌したもんよね」
「いえ。七瀬さんの後ろにいますよ、名雪さん」
「またまた、そんな嘘を」
 あたしは手をパタパタさせながら、ちらっと後ろをのぞき見ると、そこには――
「お、お、お、お、お化けえええええーーーーーー!」
「……失礼だね。足は付いてるよ」
 腰が抜けそうなほど驚いてるあたしを見ても彼女はのんびりと言い放つ。
「幽霊じゃないの? でも、あの邪術士の娘なのよ! さっきまであたし達を殺そうとしていたのよ」
「まあまあ、留美ちゃん。落ち付いてよ」
「な、なんでみさきさんは平気なのよ。繭はともかくとして、可笑しいじゃない!?」
「だって、わたし戦いを見てたし……繭ちゃんが危なくなったら、すぐに駆けつけるつもりで」
 みさきさんが言うのを、分かってます、という風に繭は頷いていた。
「だったら、いったいどういうことなのよ?」
「別に深い意味はありません。永遠の力を利用して人を殺めることはしたくなかっただけです」
「……と、言いながら繭ちゃんは照れてます。優しいんだから、ほんと」
 みさきさんが言うと、繭はふーんと首を横に向けてしまった。
「ああ、なるほど……でも看病させてって言うのは?」
 ふたりが警戒もしていないのに、あたしだけ焦っても仕方ないので水瀬さんに軽く訊いた。
 ……しかし、疎外感あるなー。
「あゆちゃんを看病したいから、じゃあ理由にならない?」
「ならないって、あんたねー、自分で傷つけておいて」
「――分かりました。お願いします」
「って、そうお願いするわ……ってなんでじゃあ!?」
「留美ちゃん、楽しすぎ」
 卓袱台があったら絶対ひっくり返してた、うん……。
0352椎名繭@雪に還る少女(10/10)NGNG
「もう分かったわよ。じゃあ九尾目指して出発!――これでいい?」
「うん、出発出発がんばろう!」
 ガッツポーズというのか勝利のポーズというのか手を上げてる彼女らをとても羨ましいと思った。
 川名さんに七瀬さん、見てるだけで私は本当に元気づく。
「いいよね、彼女」
「はい、そうですね……」
 私と同じ印象を持ったのか名雪さんも同じように笑う。つられて私も笑ってしまう。
「でも、どうして? わたしなんかを信用してもいいの?」
「……七瀬さんが信用したのなら、私が言葉を挟む余地なんてないですよ」
「彼女が一番信用してくれてなさそうだったけど?」
「嘘つき。七瀬さんが誰よりも先に貴女と打ち解けたことは一目瞭然です」
「……ありがとう」
 名雪さんが笑っている。
 私には有難うと言われる筋合いはなかったけど今だけは笑って応えよう。
「貴女の中にあった負はパンドラの箱ですべて吸い取りました。理由がいるならそれですよ」
「じゃあ理由なんて要らないよ。がんばってきてね」
「……はい、言われなくてもそうします」
 最後の言葉は薮蛇だったことに気づいて私は顔を赤くさせた。
 今の彼女は間違いなく強かった。私よりもずっと。
「行くわよ、繭!」
「はい。分かってますよ」
 七瀬さんが私を呼んでくれている。
 でも、その前に澪の頭を撫でてから行くことにする。
「任せましたよ、名雪さん」
「うん。繭ちゃんも、ふぁいと、だよ」
 名雪さんの声援。七瀬さんの呼び声。私は今幸せの中にいた。
「行ってきます!」
 そして、雪の街の物語は最終局面を迎えようとしていた。
0353椎名繭@雪に還る少女(10/10)NGNG
回すだよもん。
0354名無しさんだよもんNGNG
くっきー残ってただよもん。
0355名無しさんだよもんNGNG
だいたい1レス分書くのに20〜30分だよもん。
0356名無しさんだよもんNGNG
今回はちょっと掛かり過ぎだったもん。
0357名無しさんだよもんNGNG
もう少しくらい上手くなりたいもん。
0358名無しさんだよもんNGNG
とうとう真琴VS美汐だよもん。
0359名無しさんだよもんNGNG
しかしもう力尽きただよもん。
0360名無しさんだよもんNGNG
暫く様子を見るもん。
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