バーンスタインを感情移入型とするとカラヤンは極めてクールなアプローチ。
それまでのマーラーの演奏が多かれ少なかれマーラーその人の伝記やら精神状態
やらの反映としていささか交響詩風にドラマティックに捉えられていたのに較べ、
カラヤンは音楽のスコアのみに徹して演奏していると思う。
つまり純音楽的な解釈と言えるだろう。
マーラーの交響曲を私小説のような私交響曲と考える人間にとってはいささか割り切り
すぎていて味気ないと思うだろうが、逆にバーンスタイン型の大げさな演奏にウンザリ
している人間にとっては新鮮で面白いと感じるのだろう。
マーラーをBGM的に聴けるのはカラヤンの演奏だからこそで、「アダージョ・バーン
スタイン」じゃあ、決して世界的大ヒットにはならなかったろう。