岩城の小澤に対する嫉妬は、驚くほどあからさまだったね。
N響事件の影の仕掛人は実は岩城だったという三流週刊誌のような噂もあったが、
小澤がボストンの音楽監督になった時点で、もう岩城がどう思って何をしようと
どうにもならないくらい小澤は遠くへ行ってしまった。
ところが、晩年のテレビのインタヴューで小澤がウィーンの音楽監督になった
ことを聞かれると、顔を真っ赤にして言葉を詰まらせ、心底口惜しがっている
のを隠そうともしなかった。
最期まで小澤に対する嫉妬心を執念深く持ち続けていたようだ。