バイオリンの音階練習、指の形をつくるというのは、とどのつまり音階の中での
全音と半音の形を指の感覚として記憶させるということに他ならない。
音階毎に大全音、小全音がことなる純正律では音階練習としての訓練はほとんど意味をなさない。
転調をしていくクラシックの曲でフレーズの1音ごとにその調性を把握して、
たとえばここはホ長調の第2音と第3音だから小全音であり、指を調整するというのは
かなり高度であろう。
訓練としては全音の間隔は一種類、半音の間隔も一種類ですることになる。
全音をx、半音をy とすると、バイオリンは完全4度を完全5度を完全にとるので、
xの2乗かけるyイコール4/3
xの3乗かけるyイコール3/2 
の関係でxとyの間隔を取れるようにするのが音階練習であり、指の形をつくる練習といえる。
この方程式を解いてみると解は当然ひとつしかなく
xイコール9/8
yイコール256/243
になる。これがピタゴラス音階と一致することは明らかであるので、
単音の音階練習については必然的にピタゴラス音階となる。

実際の音楽では不愉快な音がひとつもない、というのが大切で、そんなピタゴラス理屈をしらなくても
不愉快な音を一つも出さないで弾ける人はそれでよいとおもう。
私の先生は、曲は夢の世界で曲を弾くときは不愉快な音がひとつもあってはならないと教えた。

以前、ギル・シャハムを聴きにいったときバッハの無伴奏をピタゴラス?で、ベートーベンを
ピアノの調律に合うようにひいて、その後20世紀の曲をひいて、アンコールにジャズナンバーを
弾いたとき、この人はそれぞれの曲で異なる音律を引き分けているのだと気がついたとき戦慄を
おぼえた。名人はそこまでできる。