日本人有名演奏家(ヴァイオリンに限らず、ピアノでもチェロでも他の楽器でも)の
自伝やエッセーを読むと、必ずと言ってよいほど、芸大や桐朋卒業して留学しているのに、
留学した先で「基礎から徹底的に鍛え直され。。。」といったことが書いてある。

前桐朋学長の堤氏の自伝でも、斎藤氏にバッハの無伴奏を三周も直々に教えてもらって
いたのにもかかわらず、留学した先でシュタルケルに「基礎からやり直し」と言われ、
結構長期間にわたって開放弦しか弾かせてもらえなかった、と書いてある。
それなら斎藤のバッハ無伴奏三周は一体全体何だったんだ、ということだ。

斎藤氏や堤氏の時代は昔のこと今は違う、と言うなかれ。
日本の音大では教授法の改善の意識が薄い(というかほとんどない)から、今も堤氏らの
時代とほとんど変わっていない。
ことほどさように、日本の音大での教育は世界の標準から遅れている。
国内コンクール上位入賞歴もあるヴァイオリン専攻の学生が留学先のドイツの音大で
バッハの無伴奏弾いたら、「それは50年前の弾き方だ」と失笑されたとか。

「子供のための音楽教室」などで子供の頃からそういう教育ばかり受けてきた人がやがては
先生となってアマチュアを教えるわけだから、アマチュアのレベルの向上も望めない。

とにかく、日本の音大は、各先生個人任せをやめてもっと大学全体としてシステマティックに
教授法の改善に真剣に取り組むべき。