朝比奈隆
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0703名無しの笛の踊り
2012/06/02(土) 18:06:22.73ID:fhTwWocsの澄んだ美しい響きに基づく西欧の音楽を演奏するには不都合な音感なのです。なぜかと言えば、クラ
シック音楽の基本は澄んだ響きの協和音(純正調の和音)で、ドレミファはその協和音と密接に繋がって
いるからです。
よく話に出るのは、(中略)和音の真ん中の第三音(ドミソの和音ではミの音、ドレミファの音階の三番目
の音)が平均律だと不協和な音になることです。ハ長調の音階ドレミファソラシドのミの音はハ音の倍音
なのですが、その音は平均律のミより低いのです。そのため平均律のドミソの和音では、融け合った美
しい響きになるのをミの音が邪魔しています。したがっていくら音楽教室で絶対音感が身についたとして
も、合奏や合唱で美しい和音を響かせるには不都合な音感なのです。
絶対音感を持った人が優れた音感を持っているように言われることがありますが、それは誤解で、なぜ
なら絶対音感を身につけさせられた私がいつも演奏の現場で苦労してきたのですから……。
またピアノでA(ラ)=440ヘルツの絶対音感がついても、現代のオーケストラではA=442や443で調
弦されるのが普通ですし、演奏中に管楽器は楽器が暖まってピッチが高まり、弦楽器は弦が伸びて低ま
るのが常ですから、絶対的な音程で頑張っても皆とハーモニーが作れません。元来西欧音楽は皆と一
緒に美しいハーモニーを作って楽しむのが基本ですから、絶対音感よりもその場その場で周りと協和す
る音が作れるセンスの方が大切なのです。
出典:紙谷一衞「人を魅了する演奏」(角川学芸ブックス)pp.169-170
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