N響は、定期公演に客演した指揮者へ、その最終日に楽員から花束を贈るのをよき
習わしとしている。誰が気を利かせたのか、朝比奈が客演する際には、花束の中に
メッセージカードが添えられるようになった。そこにはペン書きで、こんなメッセージが
記されていた。

 「朝比奈先生
  今日の事を我々全員は忘れることはないでしょう!先生の大きな心 音楽への
  情熱 何よりも先生ご自身の衰えることのない向上心…。私たちは、本当に多くの
  事を教えられました。いつまでもお元気で!ご一緒できる日が近い事を、待ちわびて
  います。
                                      NHK交響楽団全メンバー」

出典:岩野裕一「天井のマエストロへの贈り物」(ブルックナー交響曲第8番解説)