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個人的な好みや感覚的な意見をできるだけ排除し、
客観的事実に沿ってコメントしますが…。

2002年の小澤征爾のニューイヤー・コンサートへの出演は、
同年に国立歌劇場の音楽監督に就任する記念的な意味合いの強いものだった。
当時、ウィーン国立歌劇場は民営化に伴い、
運営基盤となる資金力のある指揮者ということで、小澤に目を付けた。
ソニーの大賀氏をはじめその狙いは当たり、ジャパンマネー効果を得た。
他にも深刻な財政難に陥った国立歌劇場に巨額の支援をしたのがトヨタであり、
ジャパンマネーの対価としての小澤の起用があったという側面がある。
実際にウィーン現地では、小澤の得意レパートリーの近現代物は高評価を得たが、
ドイツ・オーストリア物に関しては、大ブーイングを受けた事実がある。
ドイツ・オーストリア物で評価を得られない以上、監督としての資質に難ありという不満が噴出し、
途中小澤の病気によるキャンセルも影響したとは思うが、
2010年、小澤擁護派の支配人、ホーランダーの退任に伴い、
実質的には解任に近い形で小澤の退任が決まった。

ニューイヤーでの演奏に関しても、団員からは高い評価を得ることができず、
2008年の指揮者に名前が挙がった際も、団員から反対意見が噴出し、
結局指揮者に選出されることはなかった。

それでもなぜ小澤は定期的にウィーンに呼ばれたのか?
先に書いた資金力の大きさももちろんあると思うが、
「ヨーロッパ的ではなく新鮮」という批評も存在し、
小澤の日本人的な感覚がある一定のレベル(定期的な客演)での需要があったと思われる。

これは個人的意見だが、あとは小澤の人間性に依るところも大きいと思う。
ニューイヤー出演の際、ラデツキー行進曲(だったはず)を振り終わった後、
客席の一点に投げキッスをして、近くにいた団員に「マイ・ワイフ」と。
こういう、ある意味チャーミングな人間性も、オケからすれば、仕事相手である以上は必要な要素となるのではないだろうか。