>>745
ご承知のように、この楽章の構造は、イングリの額縁に囲われた、経過句や挿入部を含む変奏曲です。

問題の quasi niente は、版によっては presque rien とも表記されています。
意味は同じようなものでしょう。直前の第2変奏(123小節)ではクラの
対旋律に Echo と指示されているので、その表現をさらに強めるという
ことなんでしょうね(この部分のpizz.には主題がちゃんと隠れていることに
注意すべきでしょう)。このエコー楽句は、主題の中にすでに存在し(26小節)、
第1変奏(39小節)、第2変奏(75小節)にも表れますが、3者とも
強弱に関しては全く指示がありません。第3変奏のクラの対旋律に対して
初めてエコー効果を求めているわけです。

このエコー効果の追加には何か標題的な意味が込められているんでしょうね。
直前の挿入部での「恋人の主題」の出現にヒントがあるんでしょう。