「音楽は美しく響かなければならない」とケンプは書いてましたね。
強奏は避ける傾向があったようです。だからどうしても全体の印象が
弱いものになりがちです。でも、ベトソナの主題を構造的に彫刻のように
示す力、堅固な構成感、ベトの初期作品を非常に柔軟に若々しく表現する力、
そしてなんといってもピアノを歌わせる力、すばらしいと思います。
内にこめた強さというようなものが聴き取れると思います。
指回りが気になるというひともいるだろうことは解りますが、やはりケンプは
すばらしい、超一級のベト弾きのひとりだと思います。