クリュイタンスは下手くそだが、技術云々ではない。
フランスのエスプリを感じさせる音色とリズム感は今ではもはや失われたものだ。
精緻さだけを基準にして判断する人にはクリュイタンスやフランソワは絶対に理解できない。
しかし彼らの演奏こそ作曲家の時代を濃厚に感じさせ、ラヴェルの意図を汲み取った本物だ。
名盤として何十年も語り継がれているのは、故なくしてではない。
凡百の教科書的演奏は明晩忘れ去られる運命にある。