暮れなずむ大気の彼方に、もう星たちが輝き始め、
最後の日の光が、水平線を赤く染めている。
あの金色に縁取られた雲も、やがて夜の虚空のどこかに姿を消すだろう。
まぶたを閉じて佇むと、冷たい潮風に身が震えた。
そうだ、もう夜なのだ。
家路を急ぐ鳥達の鳴き声は、どこか寂しい。
人生を急ぐ人が、孤独な晩に人知れず涙を流して泣くように。
そのとき、どこからともなく、
ヴェデルニコフの「創作主題による32の変奏曲」が鳴り響いた。
移ろいやすい人生の一瞬、一瞬が、走馬灯のように流れていく音楽。
哀しいかな、その音楽は私のためにとどまってくれることはない。
人生の喜怒哀楽の一つ一つがどこか遠いところへ去っていき、
そして最後の一音が鳴り止んだとき、
そこにあるのは暗闇と冷たい夜風だけだった・・・