ヴェデルニコフの月光は
なぜあれほど悲しいのだろう。
だが、声を上げて泣くような悲しみではない。
眠れぬ夜に、青い月明かりの中で、
昔のことを思い出すうちに、
はらはらと涙があふれてくるような、そんな悲しみである。
手に涙が滴ってはじめて、自分が泣いていることを知る。
青い月明かりが、その涙をサファイヤのように輝かせるが、
まもなく跡形もなく消えてしまう。
長い人生の中では、喜びとはたった一瞬の出来事に過ぎないように。
ヴェデルニコフは孤独な夜の親しき伴侶なのである・・・