ツィメルマンのピアノも、第1楽章は、タッチ・テクニック・音色とも非常に高水準(前述のとおり、
左手の重量感は素晴らしい)ではあるものの、音楽を頭で構築しているようなところがあり、感動の
薄い演奏になっているように感じます。また細かい所をつつけば、純粋に指の運動能力とスタミナが
要求される、例の演奏至難な3オクターブ・トリルは、流石のツィメルマンも、20年前のバーンスタイ
ンとの録音の完璧さには一歩及ばないようです。