>>870
ギレリス、私は好きです。あの重々しい響き、梃子でも動かんぞと
でもいうようなゆっくりした踊らないテンポ、そして以外に透明な
一つ一つの打鍵の音色。

熱があるないを言うのなら、抑制された激しい情熱、或いは熱いも
のを決して表に出さない男の美学とでも言うようなものを、私は美
しいと思う者の一人なので、表面にわかりやすい形で出ていないだ
けで、実際には相当に熱い人ではないかと思っています。

ベートーヴェンではありませんが私の持ってるライブ盤の協奏曲のLP(確かチャイコ1番/F.ライナーCSO だったかな?)では、リヒ
テルばりに燃え上がるギレリスが聞けます。

私はむしろ、リヒテルの燃え方は独りよがりに聴こえることが多く
て、一時期苦手にしていました。でも、ギレリスのベトソナ第4番
に聞き惚れていた頃、たまたまリヒテルの同じ曲の演奏をFMでき
く機会があって聞き比べた処、これはまた熱い熱い演奏でしたが、
これも同じ位好きになる事が出来ました。やっぱり凄いピアニスト
だなと思ったことでした。
比べてギレリスは、「鋼鉄の」怜悧さで表面温度はシベリア並でも、
中には燃えたぎるマグマ溜まりが潜んでいて、それを周囲の分厚い
鋼鉄が外に決して熱さを漏らさないように包んで守っているように
聞こえるのは私だけでしょうか?