最初に前奏曲を聴いたのは大学の入学式の時だった。入学を
祝福するようなメロディが耳に残り、その後友人宅のショルティ
の「管弦楽全集」で題名を知った。

若い頃は自分をワルターにかぶせた。エーファをつかまえるためには
脇目を触れてはいけないと思った。また革新性への志向を否定しては
いけないが、伝統をも受け入れなければならないとのメッセージも
頭に残った。

中年になり、若い女性に対してほのかな愛情が頭をもたげるように
なり、ザックスの悩みが他人事ではなくなった。
(ザックスなどとはおこがましい。ベックメーサだって!)

娘が大きくなっていくと、今度はポーグナーの立場で聴くのだろう。

人生様々な段階でそれぞれ違うキャラの登場人物に心を寄せる
ことができる。中味の濃い作品だとつくづく思う。