>>117
シューマンやモーツアルトの作品は、あの時代の一般的な作曲技法では想像もし得なかった
と思う。もちろん、大作曲家ならば誰でも、それまでの技術に何らかのオリジナリティーを
加えてはいるけれど、この二人の作品は同時代の人間にまったく理解されなかったほど、そ
の程度が飛びぬけていたと思うなあ。和声論的な立場の音楽史観からだと見えにくいかもし
れないけど。

シューマンに関しては、ドビュッシーの「革命」を先取りしていると思えるし、特に後期の
作品は作曲家の狂気から生まれた混乱したもの、とまで言われて来たけれど、近年になって
それが20世紀以降生まれたとされる手法や高次の構造を持っていることを指摘する分析が出
てきた(高橋悠治、ホリガー、クルターグなど)。エッシェンバッハもそんなことを言って
いたような。