ピカソは対象物を誰よりも正確に模倣したから評価されたのではない。
目に映るものが実際には心にどう映っているのかを厳しく見極め
それを独自の方法論で表現したから歴史に名を残せた。

音楽も対象物を楽譜とするなら演奏家はまず作曲家の意図がどうとか、
譜面とのにらめっこなどせず、譜面にかかれた音が実際は心に
どう響いているかじっと耳を傾けるべき。
この世の春を歌ってるかのような音楽の後ろで思いがけずそれは
つかの間のものだというつぶやきを聞いたり、悲しい苦しみだけの
救いのない音楽の中に神聖なものをみつけたりする。

一流の画家はできるだけ白紙の状態で対象に向かうという。答えは外ではなく
自分の心の中にある。様式や意図や記号の類はヒントに過ぎず
初めからそれらを参照するのは曇りガラスを通して心をみつめるようなもの。