>>529
ヘレヴェッヘの第九は、最初聴いたときホントに驚いた。
さすがに第九は良くはないだろうと思っていたら、恐ろしい出来だったので。

1楽章から、こんなに音型がしっかり聴こえ、作品の持つ構造を分かり易く示してくれてるのは
そうないように思う。かつ響きが美しい。再現部の入りのところで内声をしっかり聴こえてくるように強調している
(この内声は1楽章コーダの音型)ところなんか取っても、表面だけ整えた演奏とはとてもじゃないけどいえないと思うのだが。

4楽章のアプローチは変わってると思う。ラトルみたく、終楽章は熱狂した民衆の叫びみたいな直接的な表現でなくて、
あえて合唱曲としての終楽章を聴かせてくれているように思う。
トルコ行進曲風の箇所後のオケによる感想の多声的な楽器の扱いや、教会音楽風の箇所のちょっと例を見ないバランス感も見事だけれども、
二重フーガの箇所(終楽章の二つの主題が統合される構造的に最も重要な箇所)が、こんなに見事に二重フーガに聴こえてくる例は今までなかったんじゃないの?
最後加速しないけれども、ここもキチンと聴かせようと思えば当然の配慮だろう。場当たり的な熱狂でこの曲を表現するのではなく、
作品としての可能性を示唆している演奏なのだと思う。