>>690
ベルクはポスト・マーラー的でしょう。近年、バーンスタインのせいで、マーラー
がグロテスクにロマンティックになっているけど、マーラーの晩年の筆致
などはかなりベルクに近いんじゃないかと思う。時代が違うから、シェーン
ベルクの初期ほどじゃないけど、音楽的には影響は強いと思うよ。ベームの
ベルクはマーラー風じゃないし、むしろ古典的と言っていいけど、だからと
いってベルクがマーラーの影響を受けていないわけじゃない。むしろ、強い
影響下にあると思う。
ベームがマーラーと水と油なのは同意する。なぜだろうね?ロマンティック
な指揮をしないというのは一つの説明だろうけど、その一方で、同じく客観
主義的なクレンペラーなんかは、マーラーでこれ以上ない、という演奏をす
ることがあるのにね。個人的な意見ですが、ベームという指揮者は、基本的
に楽譜の背景を想像する力が欠落していたか、全く関心がなかったんんじゃ
ないですかね。例えば、ベームは「大地の歌」の寂寥感などは想像もしない
だろうし、10番に漂う絶望感などは、理解もできなかったんじゃないかな。
だからといって、ベームが劣る指揮者だということじゃない。官能的でない
「トリスタン」も、退廃的でない「ばらの騎士」も、死の匂いがしない「サ
ロメ」もあれだけ説得力があるんだからね。ただ、マーラーには、楽譜の行間
を読むような想像力が普通の曲よりも必要だということではないですかね。
オーケストレーション、お世辞にも上手いと言える曲が少ないのも、楽譜に
密着して事をすすめるベームには合わなかったのかもしれない。

ベームはヒンデミットを沢山やっていたし、シェーンベルクの「モーゼと
アロン」なども上演していましたね。