>>165
録音状態自体としては、あの時代にしては良くもなく悪くもなく平均的な録音だ。
復刻盤としては、ノイズリダクションを大きく使用している訳ではないので、
スクラッチノイズがあるのはいたしかたない。むしろ、おかしなリマスター
など施されていないがよい。
だいたいクレンペラーというのは音色の妙味で聴かせる、という指揮者でない
だけに、SP復刻とはいってもその魅力が減じることは少ない。
硬派の近代人の、そして強靭な意志に貫かれた怜悧な演奏には思わず姿勢を正し
たくなる。凄みのある必聴のCDと言えるよ。
ちなみに、この5枚組に入っているサロメよりの7つのベールの踊りのオリジナル
のSP盤は希少価値があり、コレクターの間で高値がついていた。 盤数が希少でも、
演奏が良くないと高値にはならない。
単にクレンペラーの若い時の録音、というだけではなく、文化的にも貴重な録音だ。
ここにベルリンの黄金の20年代がしっかりと刻まれている。