これは酷かったな。世界観は茫洋、キャラクターは幼稚、ドラマは貧しく台詞も陳腐、
押井守は、ここでもいつものテーマを飽きもせず繰り返すばかりで、
小手先のテクニックを少しばかり変えてみただけだった。

「キルドレ」「ショーとしての戦争」といった設定が明かされるのが終盤になってからという構成が、まず間違い。
観客の多くは、広告でネタを割った状態で観にくるのだからね。

主人公は、大したこともしていないのにエースパイロット扱いされ、登場する全ての女性から無償の好意を向けられる。
一応、最後に理由と呼べなくもない設定が明らかにされるとはいえ、
そこらのマニア向けアニメと大差のない話であることに変わりはない。

<若者に伝えたいこと>って、要するに、下層民は世界にたてついても潰されるのだけなので、
大人しく搾取されなさい、って感じなんですかね。
これ、命を賭けた戦闘機乗りだから、何となく高尚に見えるだけで、
タクシー運転手や派遣社員に置き換えたら、本当に酷いお話だもの。