孫社長がADSLと出会ったのは、この時期だったとみられている。当時の経緯に詳しい
通信業界関係者は、こう説明する。
 「孫社長は光ファイバー関連の子会社『アイ・ピー・レボリューション』などで通信インフラ
ビジネスを模索していたが、現実的な方策は持っていなかった。そこに登場したのが、
筒井多圭志氏でした」
 筒井氏は元帝京大学理工学部講師で、ADSLのエバンジェリスト(伝道師)として知ら
れる。毀誉褒貶の激しい人物だが、天才肌の技術者としてその能力への評価はきわめて
高い。「ADSLはISDNとの干渉の問題があり、当時はNTTの反対もあって日本に導入
するのは難しいのではないかと言われていた。しかし筒井さんは『日本で誰もやってない
からいいんだ。われわれがADSLをいま持ち込めば、誰も追随できない』と明確な意志
を持っていた」(前出の関係者)
 その意志が、「通信インフラに乗り出したい」という孫社長の思惑と一致――それがヤ
フーBBの最初のスタートとなった。2000年5月、ソフトバンクはADSLの新会社
『エックステージ』を設立する。これが後のBBテクノロジ、現在のソフトバンクBBである。
筒井氏は現在、同社の取締役CTOを務めている。
 この筒井氏との出会いが、その後のヤフーBBを躍進させる原動力となった

http://homepage3.nifty.com/sasakitoshinao/ascii_softbank2.html