太陽光は、ガラスを通過する際、ガラスに含まれている染料の分子に吸収される。
染料の分子がこのエネルギーを再び放出すると、エネルギーの波が
導波管を通ってガラスの端に送られる仕組みだ。

この有機集光装置(染料に炭素が含まれることからこのように名付けられた)は、
太陽電池アレイがこれまで抱えていた根本的な問題の解決に役立つ、
と Baldo氏は述べている。その問題とは、太陽電池は非常に異なる
2つの機能を持つため、まったく違う種類の材料を合わせて用いる必要があるという点だ。

「太陽電池は光を吸収し、電気を作り出すものだ。われわれが試みたのは、
この2つの機能を分離することだった」とBaldo氏は説明する。「光を吸収するために、
シリコンのような非常に高度な電子材料を一面に貼り付けても意味がない。
ペンキをはじめ、光を吸収するものは沢山あるからだ」

「光の吸収」に安価な材料を使うことによって、高い効率でエネルギーを
作り出す高価な材料の使用量を大きく減らすことができる。

費用が安くなること以外にも、この技術は「透けて見える」という特徴を持つので、
建物や製品に組み込むことができるというメリットがあ
デザイナーや建築家にとっては嬉しい話だが、この集光装置を実際に利用する際に
そのような使い方が最も効率的かどうか、Baldo氏は確信が持てないでいるという。

「プラスチックに用いれば、丸められる素材ができる。
また、好きな色に染めることもできる。この新技術を建築家は大歓迎している」と
Baldo氏は述べる。「しかし、技術者の立場で言えば、
窓を太陽電池にすることにどれほどの費用対効果があるかはわからない」

この技術は単純で費用も安いため、製造も容易で、
3年以内には実用化できるだろうとBaldo氏は考えている。
その目標に向け、MITではBaldo氏の同僚たちが、
この技術を商用化する目的でCovalent Solar社という会社を立ち上げている。

[日本語版:ガリレオ-平井眞弓/長谷 睦]

http://wiredvision.jp/news/200807/2008071123.html