もう昔の事だが、元から妄想癖のある私が敏弥虜となってしまったあの恐ろしい日々を、今でも鮮明に思い出せる。
当時は毎日毎日、80年代少女漫画を彷彿とさせるような、敏弥との甘く切なく有り得ない妄想を繰り広げていた。

中でもより鮮明に覚えている妄想…テーマは「窓の王子様」。決して「星の王子様」ではない。
内容は、ディル麺が私の家の近くで撮影をするのだが、世間に嫌気がさした敏弥が「やってらんねー」と言ってその場を逃げ出す事から始まる。
この時点で既に何かがおかしいのだが、更に有り得ないのはこの後、敏弥が偶然にも我が家…たまたま窓の鍵が開いていた私の部屋に逃げ込むという設定だ。
私「あっ…」
敏弥「しっ!静かに!」
いやお前不法侵入だろっていうのは妄想の都合によりスルー。私は敏弥から事情を聞き、説得をする。敏弥は次第に落ち着きを取り戻す。
敏弥「ありがとう…皆の所に戻るよ。…また来ても良いかNA?」
私「うん…」
解決が早いのも妄想上の都合。にっこりと微笑むと、敏弥は私の部屋の窓から出ていくのだった…

という妄想をひたすら繰り広げていた。もちろんこれは後にも広がる敏弥結婚計画という名の壮大な妄想の序章にすぎない。

妄想をした後で気付いたのは、私の部屋の窓には鉄格子がはめられているという現実であった。
この場を借り、痛々しい過去を浄化させていただきます。