ある日池タソが降りてきて
放心の多に「諦めろ」とこう言った

それが聞こえなかった多は
風に吹かれながらずっとずっと髪を探し続けていた

それは髪を隠しながら
多のあとをずっとずっとついてきた

別になにをするでもなく
まるで髪を抜いてくのが嬉しいかのように
笑いながら

ふと下を見下ろすと一面にはびっしりの毛束
寂しそうに死んでいる

突然 消え始めた多くの髪は
多様には大事過ぎた