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赤いレンガの石畳の道 日だまりに咲いていた沈黙の午後に

突然の夕立に急かされながら 晩秋の都へ人々は歩む

水溜まりに映った忘却の虹をこっそり切り取った神無月の夕暮れ

生まれて一度も海を見たことがない老婆に教わった古き言い伝え
大海は桔梗の花よりも蒼く 水面は初夏の空と同化するらしい

一昨日と明後日の間には四万年の距離があるという魅惑の王国へ

精霊が恵みの雨の水滴の中に宿り
日照りの中を生き急ぐ者達に深呼吸の意味を吹き込んでいく

赤いレンガの石畳の道 夜の亀裂から月が顔を出す
深い霧の向こう朝露に浮かぶ 水晶で彩られた宮殿が見えた
神秘の泉に半生を映せば永久なる命を授かることが出来るという
おそらくあの国が晩秋の都だろう

か弱き勇者よ 迷う事勿れ