>>74

さよならテント

「夏が来よる」と僕たちは
市営団地の屋上で
まっさきに燦々と浴びるのだ
「やあ 今年も君ひとりなのか」

わたしの叙情を掻立てて わたしを懐かしくして
わたしは嬉しく成って すぐ さみしくなった

そう幾年の内に変わり果てた
全部違うのだと髪も切った
やたらジトリと不快な風が
嘘だらけに成る夏に沁みる

わたしの叙情を掻立てて わたしを懐かしくして
わたしは嬉しく成って すぐ さみしくなった

雲間に溢れだして
さらに落ちたぼくは
見た事も無い真白を
抉るかの下卑た線で