カッターナイフを左手首にグリグリと押しつけている僕を見てお前は
「どうせ死んでるようなもんだろう 今さら死ぬ必要もねえだろう」
なんて屁理屈垂れやがったよなぁ
思わずカチンときてしまって でたらめに殴りかかっていったけど
お前は身動きひとつせず ただ黙って殴られてくれたよなぁ

結局は しつけの悪い近所の飼い犬みたいに
ワーワー泣き出してしまったどうしようもない僕にお前は
「ここから始めよう ここから始めよう」って何度も力強く言ってくれたよなぁ
あの時のことを今でもよく覚えているよ とても不思議な気持ちになったんだ
バースデーケーキのろうそくを吹き消した後みたいな とても不思議な気持ちになったんだ

僕は今 お前にお別れの手紙を書いているところ
わかってくれるだろう いつまでもお前と一緒に暮らしているわけにはいかないんだ

僕は今 お前にお別れの手紙を書いているところ
お前と再会しなくても済むようにマジックペンでぶっとく

拝啓、絶望殿!

僕、誓う 僕、もう二度と負けない