かすみ Dir en grey

林檎飴を片手に泣いている息子。月の明るい母親が父親に埋葬された夜。
「ねえママは何処にいるの?」と父親に聞く息子。
父親は母親に瓜二つの息子を目に焼き付けて抱き締めた。

虫が騒ぐ八月の祇園坂の一角に有る扇子屋。
かつては父親と母親と息子の三人で住んでいたが今は父親と息子の二人暮し。
息子の望む母親が居た去年の五月の様な微笑ましい端午の節句はもう来ない。

紙風船で遊んでいても母親の事を思い出して涙を流す息子。
紅い飴玉を舐めていても一緒に想い出迄溶けて霞んでいく様だ。

父親は小さな泣き声に午前四時頃目を覚ました。
息子の大好きな絵本を読み聞かせてやり何とか寝かし付けるが
暗闇の中で色々な感情が滲み出し首を絞めて殺してしまう

紙風船で遊んでいた母親と息子の事を思い出して涙を流す父親。
紅い飴玉を舐めていても一緒に想い出迄溶けて霞んでいく様だ。

後何年経てば悲しみから解き放たれるのだろう?
例え月日が流れても父親が母親を殺害し埋葬したのは紛れも無い真実である。

風の無い穏やかな真昼の十三時、母親は今も畳の下で永遠に眠り続けている。