AKIRAの作業はまだ終わらない様だった。
片手のみで弦を外すのは結構骨が折れる物だ。
それでもAKIRAは相変わらず辺りを見回しながら、弦を一本一本丁寧に外している。
こんなところで、一体何をやっているのだろう?
YURAは訝しく思いつつ音を立てない様、ゆっくりとカマを右手に抜き出した。
弦を本体から完全に外す時、AKIRAは両手を使わざるを得ないだろう。無理して片手で済ませたとしても隙ができる。
その時があなたの終わりになるみたいですよ、どうもね♪
金属が擦れる音がまばらになり、一旦止まる――パチン、と音がして、今度は完全に止んだ。
AKIRAはまたきょろきょろと顔を動かすと、さっと両手を前に回した。そのときにはもう、YURAは完全にAKIRAの背後に忍び寄っていた。
AKIRAの後頭部が目の前に迫る。右手のカマを持ち上げかけた、その時。
誰かが背後で「あ――」と言うのが聞こえ、AKIRAがそれでびくっと振り返ったのだけれど、びっくりしたのはYURAも同じだった。
カマを振り上げるのは当然ながら止め、声のした方を振り返る。
TADASHI(Plastic tree・Ba)がそこにいた。金髪の、見た目は寡黙そうなイメージのベーシストである。右手にそれが武器なのか
金属バットを提げ、YURAを見つめて口を開いていた。
AKIRAがYURAを認めてこちらも「あ――」と言い、それから「くそっ」とYURAに向けて銃を構えた。