>>107
特徴

・コンピュータサイエンスっぽいノリ。関数型プログラミングを
 数学の一分野として位置づけて証明をつけたりするような議論がある。

 副題に「原理と技法」とあるのは適切だと思う。Haskellってリスト内包表記で
 無限リストがあっさり扱えたりする反面、自分が書いたコードが本当に効率が良いのか
 わかりにくいところがある。この本では、コードの効率を手で分析してみせてる箇所があり、
 そのような議論を丁寧に追って自らの血肉にできれば有益だと思われる。

・モナドの説明は想像していたよりあっさりしていた。
 コンピュータサイエンス寄りの本とは言え、突如領域理論や圏論で読者を打ちのめす心配は一切ない。

・Haskellという言語自体の入門書にもなっているが、この本をHaskell入門書として紹介するのは
 SICPをScheme入門書として紹介するのと同じぐらいには間違っていると思う。

・すでに訳出されている fun of programming (関数プログラミングの楽しみ) はこのBirdの本の
 「続編」という位置づけであり、その本の中でIFPHでは〜のような言及がしばしばあるので
 「関数プログラミングの楽しみ」を楽しむためにはこの本も持っていたほうが良い。

まとめ
 「関数プログラミング入門 Haskellで学ぶ原理と技法」はHaskellをとりあえず使ってみたいという
 人には向かない。そのような向きには「すごいHaskell〜」を勧める。この本は、ある程度Haskellで
 自分が書きたい関数を書けるようになり、効率の問題に直面しはじめた人にこそ向いていると思う。
 どのようにデータ構造を工夫し、アルゴリズムを解析し、改良するかについての実例が載っており、
 これらの技法を身につければ --- 簡単ではないだろうが --- より整然とした、そして効率の良い
 Haskellコーディングができるようになるだろう。