●大学の常識は会社の非常識

 実際に筆者が遭遇したことを挙げよう。


1. 社内LANにつながっているOA端末にWi-Fi機器を取り付けた電子工学科卒業のD君
2. OA端末の壁紙を管理者に無断で雑誌の付録についていたDVDからコピーした画像に変えた数学科卒業のE嬢(禁止行為であった)
3. USB接続自体は許可されている企業で自分が購入したソフトをUSBからインストールした法律学科卒業のF君
4. OA端末のActive Directoryの設定を勝手に操作しようとしていた応用工学科卒業のG君(Adminではないので未遂に終わった)
5. レジストリを変更しようとしていた物理学科卒業のH嬢

 いずれも筆者が実際に現場で見たものだ。この中で2については実際に壁紙が変更され、ある業務システムがフリーズして大変な騒
ぎになった。E嬢が言うには、「私は自分の好きな壁紙に変更しただけ。システムのフリーズとは全く関係ありません! 私はこれでもPC
に詳しいから分かります。無関係なはずです。犯人にしないでください」とのこと。まずは壁紙変更が明示的に禁止されているので、立
派なコンプライアンス違反だ。

 なぜ禁止されているのかを理解していたのだろうか。この業務システムは「○○.dll」を以前のバージョンにしていないと動かないもので、
現在は64ビット版に変更中。それが完成すればフリーズはなくなるが、それでも壁紙禁止は継続するつもりだったという。

「このDVDからインストールした際に同じdllが変更されたことは君は理解しているのか。PCを調べたが、この壁紙の変更が原因なのは明
らかだ。大学では詳しかったのかもしれないが、ここではど素人だ。プロならそのくらい理解しているはず」とE嬢に話をすると、彼女は顔を
真っ赤にして下を向いてしまった。会社のルールの中には、実際には意味がなく理不尽なものもあるが、これは明確な意味があったケー
スである。その理屈も理解できない新人は、まずは従うことだ。そして理解し、どう対応すれば無意味な規則が修正できるかを学ぶべきである。