民明書房刊「マニュアル嫁」
第六章 結婚前後の諸心得
 第二節 甘美な新婚旅行

 - 入浴をするとき -
夫としては、
「どうです、一緒に入りませんか」
 というのが一応のエチケットとなっている。しかしお互いにまだ清浄な関係
である場合には、新婦としていきなりその言葉に従い、いそいそとして夫につ
いて行くのはどうかと思う。初夜が済むまでは矢張り、ほのかな羞恥の色を漂
わせながら、にこやかに
「ええ、でも、あとでいただきますわ」
 と柔かく辞退して別々に入浴する方が好ましい。夫としてもそれが花嫁のエ
チケットだと思って、しつこくすすめないことである。
 しかし初夜が済んでからは、最早や完全な夫婦となったのであるから、二人
で入る方が却ってよろしい。そうだからといって、矢張り女としてのはにかみ
は忘れてはならない。湯船に入るときでも
「おねがい、向う向いてて」
 などといっておいて、静かに入る。また湯船の中でも、乳のあたりへはタオ
ルを軽く当てて、ともかく露骨になるようなことは避けなければならない。