共産主義になった翌日、私は妻とともにプログラムに出かけた。
まだキックオフだというのにProject Treeは青々としている。
人々の表情は希望と活気に満ち、額から流れるプログラマの汗が太陽光を反射していた。


「BASIC厨とCOBOL厨が憎しみあう時代は終わったのだな」
昨日までSunに勤めていた斎藤さんが、ほっとしたように私たち夫婦に言った。
「ええ、これからは.netが,netを支え合う時代なんですよ」
普段は滅多に話に加わらない妻の靖子が、斎藤さんの肩に手を置いて優しく言った。
「人という字を御覧なさい。二本の線がお互いを支え合っているじゃないですか」
通りがかりの髪の長い中年男がそう言って微笑んだ。

Java厨は長年使ってきたForteを質に入れ、黒光りするVS.NETを購入した。
「javaはもう不要だ。これからは日本中にc#の音を響かせよう」
一仕事終えた農夫の表情で男は言った。

青空のなかををペンギンが横切っていった。