Elaine Aron著『The Highly Sensitive Person : How to Thrive When the World Overwhelms You』

人前に出ると必要以上に神経が高ぶる。そして、後になってドッと落ち込む。弱虫、神経質、臆病、引っ込み思案…。
彼らには、いつもマイナスのイメージがつきまとい、本人も自分は「弱い」と思い込みがちだ。
しかし、全人口の2割いるとされる彼らを、著者は「highly sensitive person (HSP) = とても敏感な人」と呼び、
「敏感さ」は「神経の細やかさ」であるとする。自身もHSPという著者は、大学教授、心理療法家、
そして小説家というマルチタレント。実際にHSPには学者や芸術的才能をもつ人が多い。『ささいなことにもすぐに
「動揺」してしまうあなたへ。』(原題『The Highly Sensitive Person』)は、1996年の発売以来アメリカで
ロングセラーを続けており、タイトルの頭文字HSPは流行語にもなった。 「敏感すぎるとは、どういうことか?」
にはじまる本書は、“敏感すぎるカラダ”の健康と生活、子供時代と思春期、内向的なスタイルの社会生活、
適性にあった仕事や恋愛について、HSPがよく服用する抗うつ剤や医者とのかかわりから、
「敏感さ」という身体的特徴と社会的重要性について丁寧に分析。具体的な話し方や落ち込んだときの対処法など、
HSPが自信をもって社会生活をおくるためのアドバイスもされている。

自らを“飽きっぽいからじっとしていられないわりには、すぐに疲れていやになる”外向的なHSPだという
訳者の冨田(訳書に『この人はなぜ自分の話ばかりするのか』があるほか、摂食障害克服者として自らの体験を発表している)は、
「HSPという概念を知ったからこそ、“私は弱いなあ”と一言で片づけずに意識して自分をケアするようになった」と、
あとがきで述べている。(松本肇子)