ABXテストは試聴環境αにおいて人物βが音源Aと音源Bの音を
聴くだけで区別できるかどうかを確認するための方法である。
そこにはプラシーボ効果が入る余地は存在しない。
ABXテストでは音質の優劣を評価しない。

それに対してABC/HR比較などの方法で
音質に優劣を付ける場合にはプラシーボ効果が入り込む余地が微妙に生じてしまう。
たとえばテストリスナーが音源Aと音源BのABXを完璧にできるケースでは
ブライドでの比較においてもどちらがAでどちらがBであるかがわかってしまうことがある。
そのことがプラシーボ効果が入り込む原因になりえる。
たとえプラシーボ効果が入り込まなくても
音質の優劣の評価は必ず個人の好みに影響されてしまう。

しかし、ABXテストに合格してから音質の優劣を語ることにすれば
少なくとも「音源Aと音源Bの音を区別できないくせに優劣を付けてしまう」
という愚かな誤りを防ぐことができる。
残念ながら大部分の人そういう愚かな誤りを犯している。

さらに圧縮前のサンプル音源の公開を可能な限り義務付けることにすれば
(もしくはできる限り公開されている音源で試聴試験することにすれば)、
音質評価を発表する側は「なんだこいつはひどい音質の方を高く評価している、アホか」
のように言われないようにするためのプレッシャーにさらされることになる。
音質に関するコメントを書くことも義務付けることにすればこのプレッシャーはさらに強化される。
そういうプレッシャーは正しい音質評価を得るために役に立つだろう。