世界では、それを「一目惚れ」と呼ぶ。

私の心臓バクバク鼓動して彼と話しているだけで赤面して汗をかいてしまった。

お酒を飲みながら話していると彼は「とある国」から17歳で日本に来たハーフ
で母親は日本人で父親はヨーロッパ人だった。彼は21歳だった。
小さい顔に程よく彫の深い目元は目尻まで綺麗に連なった切れ長の二重瞼を
長い睫毛が影を落としていた。ギリシャ彫刻のように整った鼻筋ラインの美し
さは圧巻。笑うと柔らかそうな唇からこぼれる白い歯は完璧に整っていた。
真っ白い透き通るような美肌に、艶のある綺麗な黒髪の美青年だった。

私は生まれて初めて自分と同等いや、それ以上の美貌だと思った。
私は生まれて初めて自分からこの男を欲しいって思った。

今までどんなイケメンに告白されてもこんな気持ちになった事はなかった。
今までずっと私を好きになった男の中から私が選ぶだけの受身の立場だった。
でも今回は違った。自分から能動的に彼を求めている自分がいた。

美男美女ばかりの雑踏の中、彼にだけスポットライトが当たってるように
輝いてて周りのいかなるイケメン達も私の視界にはもはや入らなかった。

彼は始終ニコニコ嬉しそう笑って楽しそうに話す人だった。彼のGTRで送って
くれて車を降りる瞬間、彼は私をギューって抱き締めて「また会ってくれる?」
って可愛い子犬みたいに私の顔を覗き込んでほっぺにチューしてきた。

恥ずかしさと胸が締め付けられるような感情で思わず私は車を飛び出して
あわてて走り去った。どうしてなんだろう。彼の前だといつもの高飛車な
余裕が出なかった。

車が走り去って30秒後、私の携帯が鳴った。彼だった。
「もしもし、さっきは驚かせちゃってごめんね。俺もしかして怖がらせたかな?」
って聞いてきた。
もう私は彼の溢れるほどの魅力に溺れて息も出来ない位の恋に落ちていた。