両親もすでにいない天涯孤独な僕はこの先も一生1人だと思っていた
それはもう10年前

妻の実家は女系家族で3人姉妹、末っ子だった彼女はどちらかと言えば
甘えん坊の類に入るのだろう
僕は強気で生きてきた来た。自分のアイデンテティーを守るには
それ位しか無い
他人からすれば腫れ物にでも触るような扱いだったろう
そんな僕を、妻は「貴方は貴方のままで良い」と言う
彼女の懐の深さに僕は初めて女の前で号泣してしまった

御両親は事有るごとに僕を呼んでくれる
最初に妻が僕を連れて実家へ顔を出した時はさぞ驚いたろう
それでも快く迎えてくれた
僕には人に対する感謝が足りなかった
無償の物には何も無いと思っていた
でもそれは違っていて、表す事など出来ないからこそ無償なのだ

10年たった今も彼女はそこにいる
逞しくもなった
母親らしくもなった
勿論妻らしくも
人の幸せは自分の幸せなんだと今更ながら気付く
僕は何を変えても、これら全てを守っていかなくちゃいけない
それが僕の生きている証なんだから