(つづき)
 「東京の30代男性の50%以上がシングルなんだよ」と言っても、独身女性たちが「どこ?どこに
 いるの?」と言うのも当たり前。お互いに、全く違うところに“棲息”しているのだ、多分。例えば
 女性たちが、話題のシェフが腕を振るう最新のフレンチレストランで「やっぱり生のトリュフが
 食べられる季節は逃せないわ」などと言っている時、シングル男性たちはマンガ雑誌を片手に
 牛丼を食べているのかもしれない。
 両者の間には、よほどのことがないと愛は生まれない。日本の30代後半シングル男女が
 総当たり戦で見合いしても、カップルができる率はすごく少ないのだ。均等法前は、仕事や
 経済力で男と同等または凌駕する女性が大量にいなかったので、まだマッチングは成立
 していた。しかし均等法以降、仕事力、経済力もすべて兼ね備えた女性たちが大量出現
 したが、彼女たちの望む「より頑張る男性」が増えなかった。均等法世代の結婚市場は、
 女性たちがオーバースペックになり、マッチングがなかなか成立しないのである。

 今はキャリア女性たちに「低方婚せよ」という風潮で「年下のフリーターと結婚して幸せ」と
 いったモデルが推奨されている。しかしいくら女性誌が「年下婚」を特集しても、なかなか
 なびく女性はいない。それはやはり「男は自分より上がいい」という根強い刷り込みのせい
 なのである。しかし今からすれば、「男性ももっと頑張るはず」というのも、女性たちの思い込みに
 過ぎなかった。男性たちは、変わる必要性など全く考えてもいなかったのだから。男性たちが
 本当に変わり始めるのは、均等法施行後10年以上経ってからのことになる。それも、男性も
 変わらなくてはいけない時代の空気を敏感に察知したからではなく、不況という経済的な
 要因からだった。(抜粋)