大学合格を果たした俺は入学前の春休みに大阪から東北へ一人旅に出かけた。
秋田の男鹿半島のある岬で一人の女性が寂しそうに海を眺めて何かを祈っているようだった。
「こんにちは」と声をかけるとびっくりしたように俺のほうを見て睨んでくる。気まずい雰囲
気になりながらもさらに話しかけた。
「今日は寒いですね。」
女性は何も答えない。そして耐え切れなくなったのか急に走り出した。その時であった。女性が
雪道に足を滑らせて歩けないでいる。あわてて駆け寄ってみると女性は泣いていた。足が痛くて
ないているのだろうか。とりあえず人のいるところに女性を負ぶっていくことにした。