息の詰まる、緊張感のあるプロジェクトがようやく終わる。
早めにオフィスを出て、近くのコインパークに置いた愛車へ。
いまからしばらくは自分だけの時間。

愛車を駆って高速に。湾岸線の空いている区間でティプトロニックを
操作し、レッドゾーンまで引っ張ったりして流す。風を浴びながら
頭の中を空っぽにしてゆく。

環状線のランプで降り、ホテルに車で入ってゆく。チェックインして部屋へ。
一度かけたことのある番号に電話して、好みのタイプを伝える。

わくわくしながら女を待つ。やがてドアがノックされる。
女はばっちり合格ライン。ここで外すとすべてが台無し。
服を着たまま、知らない女と動物のようにからみあう。
そのままつながり、どろどろに溶け合って、どくどくと放つ。
一服してまたつながる。
何も考えず、欲情に飢えたケモノのように肉をむさぼり、やがて
温かいバターのように溶けてゆく。

女を帰し、シャワーを浴びる。
浴びながら猛烈に食欲が湧いてくるのが分る。

ホテルの中のレストランで、最上級のアワビとサーロインを
ステーキにしてもらい、白と赤の上質なワインで舌を洗いながら
一心不乱に食う。焦げた醤油が香ばしいガーリックライスでしめると、
よやく少し落ち着いてくる。

バーに移り、一人、カウンターで樽だしのままの濃いシングルモルト
ウイスキーを舐めながら、ハバナ産シガーをゆっくり燻らす。
立ち上る煙や、水滴の付いたウイスキーグラスを眺めながら、
なにも考えず、ゆっくり、ゆっくりとシガーを燻らす。
頭の中がからっぽになり自分が何処にいるのかさえ忘れる。

部屋にもどり、彼女に電話をする。
明日土曜の午前中でプロジェクトがひと段落つくと嘘をつき、午後から会おうと
約束をする。電話ごしの彼女の声が心地よい。でも今日は一人で居たい。

大きな仕事を成し遂げた夜を自分だけで楽しむのも悪くない。
また来週からハードな日々が始まる。