>>201
>それから約1年後、実際にA4ノビを発売してきた時にはもう大感動。

開発陣は愕然とした。
>>201の拘りが、MDプリンタ開発の基本設計を根底から覆したからであった。
A4をA4ノビに変更する。
仕様変更は困難を極めた。
すでに価格競争で苦戦をしいられていたALPSにとって、新しく設計をやりなおす
ことは不可能であった。男達は設計図を前にして、「もうだめぽ」口々にそうつぶやいた。

設計室の重たい空気を切り裂くように、ある男が立ち上がり叫んだ。
「やりましょう。ここまでやってきたんです。ぼ、僕は、MDが好きなんです。あきらめられません」
あの、いつも失敗ばかりして叱られていた新人の川口だった。
「そうだ、やりましょう」「そうです」「やりましょう」
設計室に男達の熱い声が響き渡った。
課長の北島は、手を組み、下を向いたままゆっくりと首を縦に振った。GOサインだった。
うつむいた北島の目には、涙が溢れていた。男泣きだった。

男達は、設計図を隅から隅までチェックした。移動出来る部品はないか。削れる箇所はないか。
目標は14mm。A4ノビと言い張るためには、最低でも紙幅を14mm広げなければならなかった。
何日も徹夜が続いた。
「課長、この変更で0.5mm広くできます」「課長、このバネの強度を変えれば、0.3mm稼げます」
紙幅を広げるアイデアは、ゆうに100を超えた。

1年後、新製品「MD5000」が発表された。カタログにはA4ノビと書かれてあった。
男達の努力のたまものであった。
「14mmのマージンでは、トンボが入りきらない」そんな陰口もささやかれた。
しかし、VDの優雅な色合い、攻撃的な直線的デザイン、そして男達の熱い思いが、
そのようなクレームを払拭した。

その後、同機種のカラーバリエーションや、後継機5500の発売を経て、MDプリンタは長く人々に愛される
ことになった。開発・一般販売を終了した現在でも、電即納というネット販売を通じて、未だに購入者が
絶えないという。まさに、国民的プリンター誕生の瞬間であった。

♪ジャンジャジャンジャジャン、ジャンジャジャンジャジャン
♪風の中のス〜バル〜 ....

(NHK「プロジェクトX」より)ウソ