その矢先に「事件」が起きた。04年4―12月期の業績を開示した2月10日。
「インクジェット製品に不具合が発生した。今期は減益に転落する」。
取締役会で、寝耳に水だった多くの役員の間に動揺が走った。
04年3月期には連結売上高の5割超を占めるまで成長した情報通信機器。
レーザー方式が主力のブラザーにとって、家庭用に普及を狙うには
インクジェット製品の開発が不可欠だった。不具合は4年間に生産した
全インクジェット製品240万台で発生する可能性がある。
基幹部品のインクヘッドに問題が生じたためだ。